車椅子、ときどき杖。

外出には車椅子を使っています。ときどき杖も使います。車椅子で訪れたスポットや、普通に歩いていた頃には気づかなかったいろいろや、便利だと思う道具について。

プロバスケ、観戦。

奈良のプロバスケットボールチーム「バンビシャス奈良」のホームゲーム開幕戦を、ひとりで観に行ってきました。

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生でプロの試合を観戦するのは初めてでした。

いやはや、すごいです。

走って、はねて、かわして、腰を落として、跳んで。選手の動きが止まらない!

 

この日の試合は、バンビシャス奈良のホームアリーナのひとつ「ならでんアリーナ(奈良市中央体育館)」で行われました。

 

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バス通りから見た鴻池。右から2番目の、木に隠れた建物が「ならでんアリーナ」。

 

最寄りのバス停「鴻池」までは、JR奈良駅近鉄奈良駅近鉄高の原駅から奈良交通のバスが出ています。

 

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近鉄高の原駅方面行きのバス停。

 

 

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近鉄奈良駅・JR奈良駅方面行きのバス停。こちらは屋根あり。

 

バス停からアリーナへの道はそこそこ荒れているので、車椅子で進むには注意が必要です。

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そしてこの先は、車道を進みます。

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左の歩道へ入らず、ここから車道へ下りてアリーナへ。

というのも、この歩道は池に沿っているのですが、このまま池を半周した先にあるのが…

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階段なのでした。

この写真の右手にアリーナがあるのですが、歩道には丸太風の柵があるので車椅子では車道へ下りられません。柵が途切れているところもありますが、そちらも段差が高くて下りられませんでした。ということで、私はバス通りまで戻ったのです。

これをお読みになった方はくれぐれも最初から車道をお進みくださいね…。

 

車道も路面があまり良くはないので、注意して進みます。

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この道路は車両は一方通行なので、行きは車が前から、帰りは後ろから来ます。車椅子は歩行者なので問題ないですよ。

上の2枚目の写真から少し進んだ先の右手に、アリーナがあります。

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ここは車両の駐車場への出入口でもあるので、車に注意しましょう。

駐車場には出店があり、試合開始までに軽食を食べられます。

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1階で受付をしたら、スタッフさんが席まで案内してくださいました。

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車椅子席はゴール裏指定席の隣。コートの角から全体を見渡せる。

 

1階ロビーにも出店があり、買ったものを席で食べられます。

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私はここで「揚げにくぱん」を買いました。奈良ひのひかり米粉の揚げパンに大和ポークのジューシーなあん。ピロシキっぽい食感で、冷めていてもおいしかったですよ。

車椅子で入れるトイレも1階にあります。ファンクラブブースの奥なので、スタッフさんに声をかけて通してもらいます。

 

試合には決まった応援の仕方があり、音楽に合わせて手や鳴り物を打ち鳴らします。この日はホームゲーム開幕戦ということで応援グッズ(ハリセン)が貰えたので、思い切り(膝や車椅子を)叩きながら応援しました。試合前に応援練習の時間があるので、初めてでもすぐに馴染めます。ひとりで観戦していましたが、みんなで応援してとても楽しかったです!

ゲームの写真はスマホで撮るのには限界があったので、少しだけでごめんなさい。目には! しっかりと! 焼き付けてきました!

背の高い選手も小柄な選手もそれぞれに活躍していて、とても迫力がありました。

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後半(第3・4クォーター)は手前のゴールがバンビシャス。席の前にカメラマンがずらり並びます。

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この日の試合は18時開始で、試合が終わって外へ出たのは20時を過ぎていました。夜の鴻池周辺はかなり足元が暗いので、ライトは必須だと思います。私は車椅子のフットレスト両サイドに自転車用のLEDライトを装着しています。足元を照らすほか、車両や歩行者に車椅子の存在を認識してもらうために。

ただ、この道は路面も荒れているところがあるので、夜間の移動に不慣れな場合は日中の試合を観戦することをお勧めします。

 

試合スケジュールやチケットの購入方法などは、バンビシャス奈良のホームページをご確認ください。車椅子席の購入はバンビシャス奈良(電話)のみ可能です。

bambitious.jp

 

またぜひ観戦したいと思いました!

 

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オフィシャルダンスチーム「BamVenus」が観戦を盛り上げてくれる。

 

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マスコットのシカッチェ。めちゃかわいい。バンビーナスのダンスに合わせてリズム刻んだりもする。かわいい。

大仏さまに会いに、東大寺へ。

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生まれも育ちも奈良市の私にとって、東大寺の大仏さまはとても身近な存在です。

その東大寺の大仏殿に、車椅子で参拝できることをご存知ですか?

友人と一緒に、行ってきました。

参考:華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ(トップページ)

   境内のご案内|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ(境内地図)

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大仏殿入堂口の脇にスロープが設置してあります。

入堂口で受付をする時に車椅子利用であることを伝えて、スロープを開けてもらい西廻廊へ入ります。

※受付は階段を上がった先にあるので、参拝は歩ける同行者と一緒に行くのが望ましいかと思います。

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西廻廊に上がると、「車椅子専用参拝通路」の案内板が。

その向こうには、中庭が見えます。 

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この日はとてもいいお天気で、若草山まですっきりと見えました。

 順路に従って、西廻廊を進みます。

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 突き当りを曲がって西袖廻廊へ入ると、なだらかなスロープが。

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 とてもスムーズに上がれました。

上から見ると、床の微かな凹凸に合わせて柱が1本ずつ調整してあるのが判ります。安心して通れるスロープだと感じました。

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大仏殿の入口横には、柵が設けてあります。

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友人に開けてもらって通りました。

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入口のスロープを越えると、すぐ目の前に大仏さまが!

(ここで撮影した写真はブレまくっていました。いかに興奮していたかが解ります…)

 

大仏殿内の床はとてもなめらかで、車椅子での移動に全く支障ありません。

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 ただし、参拝客が多いので、車椅子の操作にかなり注意を払いました。

 

ところで、西側にあるこの急な階段が私はとても好きです。

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怖くて途中で上ることも下りることもできなくなりそうだな、と子供の頃から思っていましたが、いま見上げても怖いです…。

 

ぐるりと回って、東側から大仏さまを見上げました。

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じっと見上げていると、言葉はまったく出てこなくて、ただずっとこの場に居たいという気持ちになりました。

 

通常の参拝ルートでは東側の出口から外へ出るのですが、車椅子は入ってきたスロープへ戻ります。大仏さまの正面へ抜けるための柵があるので、ここも友人に開けてもらいました。

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スロープは、内側も外側もそれぞれL字型で、合わせてコの字型になっています。省スペースで傾斜をなだらかにするための工夫だと感じました。

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スロープの頂点から外を見ると、歩行者が通る通路が見渡せます。

昔ここを歩いて通ったことを懐かしく思い出しました。

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※車椅子参拝経路について、現在は西廻廊~西袖廻廊となっていますが、大仏殿廻廊修理工事のため、11月上旬より東袖廻廊に設定される予定とのことです。

東大寺境内では下記の2か所で車椅子の貸し出しを行っています。

 ・大仏殿前にある警備詰所(主に南大門~大仏殿の参拝者を対象)

 ・大仏殿入堂口(大仏殿内の参拝者を対象)

 参拝後は必ず借りた場所へ返却します。

 

 

東大寺の参道の石畳は中央が平らになっていて、車椅子でも振動をほとんど感じずに通れます。ただし、鹿がたむろしていることもあるので、その時は覚悟を決めて迂回します。

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大仏殿に向かう時に通る南大門は車椅子でくぐることはできませんが、脇道も石畳が平らになっているので、スムーズにぐるりと回りこめます。

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こちらは南大門の北側。見上げると屋根の重厚さをひしと感じます。

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北側は写真撮影する観光客が少なめな上に陰になっているので、石段の近くまで寄れば仁王像が見えます。

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 陰で涼しいのか、鹿が休憩していたりします。

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観光客が通り過ぎてもまったく動じることなく、ぺたりと寝転んでいました。

 

お水取りで有名な二月堂などのあるエリアへは車椅子で向かうことが難しいですが、車両専用道路があるので、タクシーですぐ近くまで行くことができます。

 

 

東大寺ミュージアムへも立ち寄りました。記事はこちら。

東大寺ミュージアムにて、「東大寺の歴史と美術」展。 - 車椅子、ときどき杖。

 

東大寺ミュージアムにて、「東大寺の歴史と美術」展。

東大寺の境内にある、東大寺ミュージアムへ行ってきました。

平成23年に開館した「東大寺総合文化センター」の中にあります。

参考:東大寺総合文化センター 公式ウェブサイト

 

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入口の横に、大仏さまの手と同じ大きさのレプリカが!

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かなりの迫力です。

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東大寺ミュージアムでは、現在「東大寺の歴史と美術」展が開催されています。

参考:東大寺総合文化センター 公式ウェブサイト/東大寺ミュージアム 企画展・特別展のご案内

国宝「東大寺金堂鎮壇具」の「金鈿荘大刀(きんでんそうのたち)」は、朽ちた姿に奈良時代からの歳月を感じる中、金の装飾だけがきらびやかに残っていたのがとても印象的でした。見事な複製品も展示されています。

この複製品は今年の6月から公開されているそうで、当時の新聞記事にもなっています。

※この展示ケースは天板のみがガラス張りになっていて座位では見えなかったので、私は車椅子のアームレストに手をついて立ちました。他に展示されている大刀は座ったままでも鑑賞できます。

また、国宝「日光菩薩立像」と「月光菩薩立像」の合掌する指のしなやかさも印象に残りました。重要文化財十二神将立像」は、それぞれの頭上にぺたりと乗るネズミやウシ、トラなどがとてもかわいいですよ。

 

 

カフェ「葉風泰夢(ハーフタイム)」は階段で下りる少し低いフロアにありますが、階段横のエレベーターで下りられます。

 参考:中国料理 桃谷樓|茶廊・葉風泰夢

ここではお茶やスイーツが頂けます。「煎茶セット」は愛らしい1人用の茶器と保温ポットで供され、二煎目三煎目と味の変化を楽しめました。

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私が選んだ菓子は東大寺オリジナルの「日餅」みるくあん。白あんにあんずと松の実が入っていて、ほのかな酸味と香ばしさが味わえます。持ち帰りの商品も販売されていました。ちなみにこの茶器も東大寺オリジナルで、購入することができます。


車椅子で入れるトイレが地下にあります。

・ドアは自動開閉(外はセンサー、内側は押しボタン)

・子供用おむつ替えシートあり

・ウォシュレットあり

・水洗ボタンは丸型

オストメイトなし

きれいで広々としていて、使いやすかったです。

 

東大寺ミュージアムの12月までの臨時休館日》

平成28年10月11日(火)、10月12日(水)、11月 9日(水)、11月10日(木)、12月 6日(火)、12月 7日(水)

ミュージアムショップ、カフェ、休憩スペースは利用可能)

 

 

 

 

建物の外で見かけた、ライトアップ用と思われるライトのカバー。おそらく、屋根瓦の文様ではないでしょうか。

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車椅子で巡る、古都祝奈良。【2016.09.25 追記あり】

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ただいま奈良市内では、「東アジア文化都市2016奈良市」の一環として「古都祝奈良 時空を超えたアートの祭典」が開催されています。車椅子で行ける会場をいくつか回ってきました。

culturecity-nara.com

 

東大寺「“船をつくる”プロジェクト」

東大寺鏡池に浮かぶのは、蔡國強作「“船をつくる”プロジェクト」。

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かつて東シナ海を航行した中国伝統の木製帆船で、中国人船大工10人により約3週間かけ公開制作されました。

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鏡池の水面に、文字通り鏡に映るような帆船の影がとてもきれいです。

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池の南側から望むと大仏殿も。陽の傾きで印象が変わります。友人によると、朝もおすすめとのこと。

境内の石畳は中央が平坦になっているので、車椅子でも通りやすいですよ。ただし、鹿たちがたむろしていて進めない時は、両脇のちょっとデコボコした石畳を通らねばなりません…。

 

北風呂町の倉庫「雫―story of the droplets」

ならまち大通りから少し入ったところにある北風呂町の倉庫では、宮永愛子作「雫―story of the droplets」が展示されています。

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この倉庫は、昭和30年頃まで使われていた染物屋の倉庫だそうです。

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未開封で残されていた古いガラス瓶や、木箱、引き車などの道具が当時の姿を再現するかのように置かれています。

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天井に張られたさらし。地面に置かれた道具の真上だけ、それらの形が白く抜けています。地面に染み込んだかつての染料を、そのまま写し取ったかのようです。


この倉庫へ行くとき、ならまち大通りを東側から向かうと、途中の歩道に傾きが激しい箇所があります。

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上記写真の左側から上がりましたが、歩道がうねっているうえに左右の傾斜があり、簡易型電動車椅子の前輪が片方浮き上がってしまい、制御するのに苦労しました。

この歩道を下りるとき(逆向き)はこんな感じです。

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右方向へ下りましたが、車道に飛び出さないよう慎重にゆっくりと進みました。

西側のやすらぎの道から向かう方が安心かもしれません。ちなみに、やすらぎの道からのルートはこんな感じです。

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やすらぎの道を南へ進む歩道。歩道の凹凸がそこそこあるので、注意して走行します。

馬場町の交差点で左折します。

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西側から向かうと上り坂です。

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倉庫への道を左折するところの歩道がちょっと急です。

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路地突き当りの左手が会場です。

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公納堂町の路地奥「人間の家」

西尾美也作「人間の家」は、地域住民が持ち寄った古着を使った作品です。

台風16号の影響により作品が破損したとのことで、9月20日にいったん撤去されています。以下の写真はいずれも展示中のものです。

台風16号の影響により作品が破損したとのことで、9月20日にいったん撤去されていましたが、修復作業が終わり、26日に再展示作業が予定されています。

会場は、長屋の並ぶ路地の奥にあります。

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見えてますね、カラフルなでかいものが。

通路に敷かれたブロックの隙間に気を付けて進みます。

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路地の突き当りに、この存在感たるや。

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屈んで入る入口。スタッフの方に布を持ち上げてもらって、車椅子のまま入れました。

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ステンドグラスのようなパッチワークは、住民や通りすがりに立ち寄った人たちがボランティアで参加して公開制作されたものです。会場であるこの路地奥で裁断し、ミシン掛けしたとのこと!

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この路地奥には古くから残る倉庫が建っているのですが、それと同じ大きさに作られているそうです。

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風が吹く度にパッチワークの壁が大きく揺れ、まるで「家」が生きているかのようです。この中で、ずっと過ごしていたくなりました。

中には椅子とテーブルが置いてあり、ゆっくり過ごすこともできます。

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帰りに出口から外を覗くと、ちょっと不思議な感じでした。

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※「人間の家」は台風16号で破損したため、9月26日から会場でワークショップによる公開修繕が行われます。制作した時と同様に、ボランティアを募集予定とのこと。ホームページをご確認ください。現地でも受け付けてもらえるそうです。完成次第、再展示される予定です。

【9月23日追記】「人間の家」は台風16号で破損したため、現在は修復作業が行われているそうです。当初はワークショップを予定されていましたが、26日以降に修繕された作品の吊り上げ作業が予定されています。

【9月25日追記】事務局によりますと、作家による修復作業が完了し、26日(月)午前9時~10時頃より作品の吊り上げ作業が予定されているとのことです。当日中に作業を終え、27日から通常通り展示の予定です。

参考:東アジア文化都市2016奈良市 -「古都祝奈良(ことほぐなら)-時空を超えたアートの祭典」

 

鎮宅霊符神社「ボタン/雨」

鎮宅霊符神社では、「人間の家」制作のために集められた古着から取ったボタンを利用した作品「ボタン/雨」が展示されています。こちらも西尾美也作。

階段があるため中へ入ることはできませんが、門の外からでもきらきらと陽の光にきらめくボタンの雨を眺めることができます。

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左側に見えるのが、吊り下げられた数々のボタン。写真では伝わりにくいと思いますが、風にゆらめく度に光を反射していました。周囲はとても静かで、非現実的な情景に見えます。思わず見とれてしまいました。

 

ならまちセンター芝生広場「ポップアップレストラン」

ならまちセンター芝生広場では、9月25日まで「ポップアップレストラン」がオープンしています。広場に「ゲル」が建っていて、ここで料理が作られます。

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ふかふかする芝生の上に並べられた長椅子で、軽食がいただけます。

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「大和ポークリブの香味焼き」(写真手前)は、スパイスでしっかりと漬けこまれた豚肉に、クミン・山椒・コリアンダー・にんにく・新生姜・唐辛子の種・ゴマがたっぷり! ひと皿2切れなのを友人と分けましたが、1切れでもかなりの食べごたえでした。

「大和当帰のさつま揚げ串焼き」は、吉野郡を中心に栽培されている漢方の薬草「大和当帰」が練りこまれたさつま揚げを串焼きにしたもの。何とも不思議な味わいが癖になりそうでした。こちらもひと皿2本です。

飲み物はビールやモンゴルサワーなどお酒のほかに、「月ヶ瀬健康茶園の秋番茶」があったのでそれを頼みました。ほんのりと感じる苦みが口内をさっぱりさせてくれます。

 

芸術の秋と食の秋、どちらも楽しみたいですね。

 

車椅子で使いやすい設備、いろいろ。

車椅子を使うようになって4年と少し経ちました。

外出していると、歩いていたときには気がついていなかった様々な設備の工夫が目に留まります。

今回はその中のいくつかについて、私が感じた「車椅子で使いやすいところ」をご紹介します。

 

 多目的(多機能)トイレ

車椅子を使う前にほとんど馴染みがなかった施設と言えば、多目的(多機能)トイレ。

一般のトイレは車椅子で入れないので、外出時は多目的トイレを使用します。車椅子で使いやすい特徴は、以下の通りです。

 

【扉が引き戸】

 開き戸(ドアタイプ)を車椅子で開閉することはとても困難です。

 

【室内で車いすを方向転換させるスペースがある】

 入室してすぐ鍵を閉めるために後ろを向く必要があるので、その場で旋回できるスペースが必要です。

 

【便座へ乗り移るための手すりがある】

 乗り移りだけでなく、座位を保つのにも手すりは必要です。

 

【洗面台が低い位置にあり手が洗いやすい】

 一般のトイレ内に広い個室があるタイプのトイレを使用したことがあるのですが、洗面台が高くて手を洗うのに苦労しました。立って手を洗うのと座って洗うのとでは快適な位置が違いますね。

 

【洗面台の鏡が低い位置まで(もしくは斜め下向きに)設置してあるので車椅子のまま顔が映る】

 これも一般のトイレで広い個室を使用した時に感じたのですが、鏡の位置が高くて顔が見えませんでした。

 

特に便利だと思った多目的トイレの設備は、便座横の壁に設置された手洗い器です。用を足したあと、車椅子を触る前に手が洗えます。

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便座右手にあるL字手すりの壁にまとめられた設備。手洗いは自動水栓。(近鉄百貨店奈良店)

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こちらは便座左手の壁にまとめられた設備。ここの手洗い器は洗面台と揃いのデザインだった。(奈良県庁東棟)

 私は杖をついていた時、一般のトイレを使用していましたが、手を洗う時は洗面台にもたれて身体を支えないと両手を放すことができませんでした。当時は多目的トイレを使うという意識はありませんでしたが、当時の私のように支えがないと立てない場合にも座ったまま両手が洗えてとても便利だと思います。

 

手を乾かすドライヤーの差し入れ口が低いのもありがたいです。横に差し入れるタイプや温風が下に噴き出すタイプも使いやすいと感じました。

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洗面台と同じ高さに手の差込口があり使いやすい。(奈良医大付属病院)

 

オストメイト利用者用の設備が整ったトイレや、赤ちゃんだけでなく大人も使用できるおむつ替えシートのあるトイレも増えています。

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写真右は大人も使用できるおむつ替えシート。ちなみに左にあるのはフィッティングシートで、靴を脱いで着替えができる。(近鉄百貨店奈良店)

 

ドアの開閉や水洗ボタンがタッチセンサーだと力がいりませんが、私は姿勢によっては手の位置を感知されるまでの時間じっと保っているのが難しい場合もあるので、感度がいいと助かります。

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一般的なドア自動開閉ボタン。少々強めに押さないと反応しないものもある。

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ちょっとおしゃれなタイプの自動開閉ボタン。これは軽く押すだけで反応した。

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ドア開閉センサー。力がいらないのでありがたい。

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一般的な手動の引き戸。まれにとても重い場合があり、開けるのに苦労することも。

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手動扉の一般的な鍵。この状態が施錠の場合もあれば、上げたり下げたりして施錠するパターンも。

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手動扉の鍵の工夫。つまむ部分が広くなっていてつまみやすい。(奈良医大付属病院)

扉の工夫は他にもいろいろ発見があったので、また改めて紹介したいと思います。

 

先日、初めて車椅子で新幹線車内の多目的トイレを利用しました。

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省スペースかつ空間確保のために引き戸がカーブしている新幹線車内の多目的トイレ。

ものすごく揺れるので酔いそうになりました。揺れる車内で車椅子から便座へ移動するのはかなり緊張します。手すりはがっちり持ちましょう。写真では判りにくいですが、このトイレも便座の脇に手洗い器がありました。ただ、揺れるので手すりから手を放すのが難しく、私は洗面台で洗いました。 

ひとつ注意が必要なのは、扉の施錠です。通常の多目的トイレは自動開閉扉の場合、内側の閉ボタンを押せば自動的に施錠されますが、新幹線の多目的トイレは自動では施錠されません。必ず鍵を倒しましょう(おそらく鍵を倒すことで客車にある使用中ランプが点灯するのだと思います)。

 

エレベーター

歩いていた時は何気なく使っていたエレベーターも、車椅子で利用するといろいろと発見があります。


【低い位置に操作盤があると自分で操作できる】

 かごの側面の壁に設置されていることが多いですが、逆に言えばここに操作盤のないタイプのエレベーターに遭遇すると大変困る場合も。私は車椅子の肘置きなどに手をつけば立ち上がれるので、何とか対応しています。

 

【奥の壁にある鏡は車椅子がバックで出て行く時に後方確認するためのもの】

 できればかごの中で方向転換して前進で出ていけると安全ですが、難しい場合は鏡を見ながらバックで出ます。ただ、周囲にいる「鏡を背面にして立つ人」からすると鏡を見る私はただ前を向いているだけに見えるでしょうから、「このままバックで出ます」など声を出して周囲に自分の動きを予測してもらえるように気を付けています。


エレベーターの扉が前後にあるタイプはそのまま前進して出られるのでとても楽です。扉の上部にバックミラーが設置されています。車椅子では後ろを振り向くのが難しいので、ミラーで後方に乗る人が他にいないか確認します。

ただ、複数階に停止する場合は階によって後ろの扉が開くこともあるので、その時はなるべく方向転換して出ます。難しい時は注意を払ってバックします。

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前後に扉のあるエレベーター。写真では左の壁の操作盤を押している。

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前後に扉があるエレベーターではなるべく前進で出たい。

百貨店やショッピングモールなどの大きな建物以外のエレベーターの出入口は、上の写真のように車椅子がちょうど通れる程度の幅であることが多いです。先に降りた方が扉を押さえて閉まらないようにしてくださることがよくあるのですが、その方の身体に車椅子が当たってしまいそうになることもあります。せっかくのご厚意にとても心苦しいので、もし「手を貸してやろう」と思ってくださった場合は、降りてからそのフロアにあるボタンを押していただければ非常にありがたいです。

 

公衆電話

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JR京都駅新幹線ホームに並んでいた公衆電話。

私は歩いていた頃、低い位置にある公衆電話は子供用だと思っていました。先日、新幹線のホームで久しぶりにその低い公衆電話を見かけたのですが、いま改めて見てみると、これは車椅子で使いやすい高さなのですね。

ネット検索してみたところ、「建築物等に関する整備基準」として「公衆電話台を設ける場合は高齢者、障害者等が円滑に利用できる構造とする」という文面を目にしました。また、NTTのホームページにも福祉対策のページがありました。そういえば車椅子で入れる大きな公衆電話ボックスも見かけます。

参考:福祉対策(公衆電話インフォメーション) | 公開情報 | 企業情報 | NTT東日本

 歩いていた頃の私には見えていませんでしたが、以前から街には車椅子で使いやすい工夫があったのだな、と嬉しくなりました。