車椅子、ときどき杖。

外出には車椅子を使っています。ときどき杖も使います。車椅子で訪れたスポットや、普通に歩いていた頃には気づかなかったいろいろや、便利だと思う道具について。

車椅子用階段昇降機と、車椅子対応エスカレーター。

先日、東京メトロ六本木駅で、車椅子用階段昇降機と車椅子対応エスカレーターを利用してきました。

 

東京メトロ六本木駅には、車椅子で利用できる出入口が2ヶ所あります。

1ヶ所は、六本木ヒルズ前のエレベーターのある出入口(1c)。

もう1ヶ所、六本木交差点にある階段出入口(4a)に、車椅子用階段昇降機が設置されています。

参考:構内図 | 六本木駅/H04 | 東京メトロ

この日は銀座から東京メトロ日比谷線六本木駅に出て、国立新美術館へ向かったのでした。私は最初この階段昇降機を知らなかったので、前から知っていた六本木ヒルズのエレベーターで地上へ出て美術館へ向かったのですが。

この道中がですね、急勾配の坂道だったり、歩道の傾きや路面の状態がよくなかったり、車椅子にはなかなかハードな道のりだったのです。

帰りに東京ミッドタウンの地下通路にあるインフォメーションで、六本木交差点の階段昇降機を教えてもらいました。なるほど、こちらの出入口の方が安全です。

国立新美術館は、東京メトロ千代田線の乃木坂駅からなら直結で行けます。

 

階段の降り口にインターホンがあり、駅員さんを呼ぶことができます。

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ただこの日は交差点の車の音でインターホンの声が全く聞こえなかったので、一緒にいた友人が下まで降りて駅員さんを呼んで来てくれました。ありがとう。

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畳まれているリフトが、駅員さんの操作でゆっくりと上昇してきます。

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展開されたリフトに車椅子を進めてブレーキをかけると、また駅員さんの操作でゆっくり下降していきます。

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車椅子を利用するようになって、階段からはめっきり遠ざかっているので、この景色はとても新鮮です。ちょっとわくわくします。

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到着したら前を開けてもらって降ります。

 

このあと、改札階からホームへ下りるために車椅子対応エスカレーターを利用しました。

駅員さんの操作で、車椅子が乗れる平らなスペースが作れるのです。そのぶん切り立った崖のようになるので、ちょっとドキドキします。安全のため、車輪止めの突起が出てきます。

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途中で速度が上がったあと(思わず声を上げてしまいました)、到着前にスローになり、車輪止めが引っ込みます。

車椅子目線の動画はこちら。(音が出ます)

www.youtube.com

雨の日は、アーケード街へ。

車椅子でならまちなどへ出かけようと思った日に天気が悪かったら、ぜひ近鉄奈良駅からほとんど濡れずに移動できるアーケード街を散策してください。

車椅子で入れるお店、いろいろありますよ。

今回は、「もちいどのセンター街」と「下御門商店街」で私が訪れたお店をご紹介します。

 

近鉄奈良駅前の広場は屋根に覆われているので、傘を差さずにアーケード街「東向商店街」に入れます。

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えっと、「雨の日にオススメ」と言いながら訪れた日は晴天でした。

もしかしたら、広場の屋根と東向商店街の屋根の間に若干の隙間があるかも知れません。サッと通り過ぎちゃってください。

ここは平日でも人通りがかなり多いので、車椅子での移動は周囲に気を配りつつゆっくり進みます。

東向商店街を出ると、もちいどのセンター街までの間には屋根がありません。しかも入り口が少しずれているので、ここは雨の降り具合によってはいったん雨具を使った方がいいですね。

ちなみに、もちいどのセンター街入口の右隣にあるお店は、高速餅つきで有名な中谷堂さんです。餅つきが始まるとものすごい人だかりになるので、通行するときには車だけでなく人の流れにも注意します。

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もちいどのセンター街で訪れたのは、次の2軒。

 

necoco

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猫グッズ専門店の「necoco」さん。入口からもう猫です。店内は猫であふれています。

2年前に私が訪ねたときはもちいどのセンター街をもう少し南へ行ったところにありましたが、昨年5月に移転され、森の中をイメージした装いでオープン。車椅子でも入れる幅の通路があります。

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左側の通路は、車椅子でゆっくり進んで入れました。上の写真、床に敷かれた人工芝を少し車輪で踏んでしまう感じです。ここで旋回は難しいので、出る時はバックで進み、出入口の手前で向きを変えました。

並ぶ商品はいずれも、これでもかという猫グッズ。私はハンドタオルを買いました。あと友人宅の猫ちゃんへのお土産用に、猫おやつも。

店内に流れる音楽は、よく知るメロディーなのですが、愛らしい猫の声なのです。思わず聴き入ってしまいますよ。

 参考:necoco(公式ブログ)

 

ならまちでは6月末まで「にゃらまち猫祭り」が開催中です。44店舗でたくさんの猫グッズや猫アートが楽しめます。necocoさんでもパンフレットを配布されています。

 参考:にゃらまち猫祭り(公式サイト)

 

 

絵図屋

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奈良のキャラクターグッズや土産物、特産品を販売する「絵図屋」さん。以前から通る度に気になっていたこのお店に、今回初めて入ってみました。

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店内の通路は広めなので、車椅子でも通ることができます。奈良県各地の特産品、眺めているだけでも楽しいですが、いろいろと買いたくなります。奥にはソフトクリームなどが頂ける飲食スペースもあって、観光客の皆さんが休憩されていました。

今回は高取の「大和当帰の湯」という入浴剤や、「奈良に行ってきた」シリーズのクリアファイルを購入。キャラクターグッズも気になったので、またぜひ訪ねたいと思います。

 参考:絵図屋(公式サイト)

 

 

もちいどのセンター街の先に、下御門商店街があります。ここも間は屋根がありませんが、短い距離なのでよほどの大雨でなければサッと通れそうです。

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そこそこな坂道です。この先にならまちの町屋の立ち並ぶ区域があるので、散策に向かうなら(これから夏場は特に)この3つのアーケード街を通って向かうのがいいと思います。

この商店街でも、前から気になっていたカフェをやっと訪ねました。

 

Cafe TANNE

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オーナーさんに伺うと、ドアやテーブル脚の幅は車いすが通れるようにしたとのこと。確かにこのテーブル、床に向けて脚が少し広がっていて、車椅子のフットレストがつっかえることなく席に着くことができました。

今回いただいたのは、かぼちゃのベイクドチーズケーキ

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かぼちゃがとてもやさしい甘さで、レーズンがしっかりとアクセントになっています。添えられたバニラアイスも濃厚なおいしさ。紅茶はポットでたっぷりと提供されます。

今回はひとりで訪ねたので、入り口のドアを開けてもらうためにお店の前から電話しました。

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オーナーさんが出てきてくださってドアを開けてもらったのですが、勾配が急で、私の簡易型電動車椅子では自力で上がれなかったので、手動に切り替えて押して頂きました。ご面倒おかけしてすみません…。

でも、「車椅子の方もぜひ来てほしい」「スタッフでお手伝いしますよ」と言ってくださったので、またひとりでもぜひ訪れたいと思います。ならまちの散策帰りにもちょうどいい場所ですね。

次はランチしたいです。モーニングも気になるので、早起きできた日に行ってみようかしら。

参考:ならまち界隈のカフェ - Cafe TANNE(カフェタンネ)(公式サイト)

※店内のお手洗いは車椅子では入れませんが、ここからならまち大通りへ出て右に進んだ先にある「なら工藝館」や、屋根伝いならもちいどのセンター街の「きらっ都・奈良」に車椅子で利用できるトイレがあります。

参考:なら工藝館(公式サイト)、きらっ都・奈良(公式サイト)

通いたくなる快適空間、天理駅前広場コフフン。

今年の4月に天理駅前広場がリニューアルし、「天理駅前広場コフフン」としてオープンしました。

何だかかわいらしい名前と、テレビで見かけたカフェの雰囲気がよさそうだと思い、行ってきました。最初はひとりで通院帰りに、二度目は友人とランチをしに。

 

近鉄天理駅から改札を出ると、右手に広場が見えます。

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緑と白のコントラストがきれい。

手前の低い円墳は「テーブルコフン」、頂には大きな丸テーブルがあるそうです。その左奥が「すりばちコフン」、中はすり鉢状にくぼんでいて板が張られ、子供たちの遊具になっています。私は階段を上れませんが、自由に座れるこの階段の雰囲気はいいなあと思いました。

 

カフェは、右奥の建物にあります。

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「インフォ&ラウンジコフン」。この建物には、観光案内所・カフェ「Parkside Kitchen」・サイクルショップ「Bicycle Color」(米国スポーツバイクメーカーTREK社の自転車の販売・修理・レンタル)が入っています。

正面入口は広場から少し階段を下りた先にあるので、車椅子で建物に入るためには裏側へ回ります。

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円周にぐるり緩やかな傾斜のスロープを下りて店内に入ると、サイクルショップとカフェのパンコーナーが。

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ちなみにここでおみやげに購入した「天理絹食パン」も、とてもやわらかくておいしかったです。(写真を撮る前に食べてしまったので看板でご紹介)

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レジの横に、カフェスペースへ向かうスロープがあります。

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上の写真はスロープを下りてから振り返った様子。

客席には天井から明るい自然光が降り注ぎ、とても開放的な広々とした空間となっています。

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いろいろなタイプの席があるのも楽しいですね。上の写真の奥にはキッズコーナーがあり、この写真を撮る直前までママさんたちがソファー席でくつろぎながら子供たちを遊ばせていました。

 

一度目にひとりで来訪したときは、パンコーナーで色とりどりの野菜がのったパンとカフェラテを注文&購入し、店員さんにトレイを席まで運んでいただきました。

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パンは野菜の味がしっかりと感じられておいしかった! ただ野菜をぽろぽろこぼしてしまって、お皿から拾いながら食べました(笑)

 

二度目の来訪では、友人とランチビュッフェをいただきました。

ランチをいただくときの手順は下記の通り。

1.座席を確保する

2.ビュッフェカウンターへ行き、トレイを取り「メインの料理」を選び注文する

3.ビュッフェの総菜を皿に取りながら進む

4.カウンター奥で会計する

5.座席に戻る

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入ってきたときに使ったスロープの左隣に、ビュッフェカウンターがあります。

「メインの料理」は、肉料理などのほかに「うどん」なども。また、「ご飯」はセットになっていないので、普通の白ご飯が欲しい場合も上記手順の2で注文します。

ビュッフェの総菜が並ぶ前には奥行浅めのカウンターがあるので、車椅子でもそこにトレイを置いてスライドさせながら進むことができます。お店のスタッフさんがついてくださるので、手が届かない総菜は取ってもらいました。また、会計後も席まで運んでもらえました。

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この日私は「メインの料理」で鶏肉のチーズオーブン焼きとご飯を注文しました。総菜ビュッフェではサラダ(しゃきしゃきでおいしい)、新たまねぎの天ぷら(めちゃくちゃ甘い)、マカロニサラダ、なすのさっぱり煮、玉子焼きを少しずつ。

ここでひとつ。いいですか、メインで注文する肉料理はかなりのボリュームです。

実はこのメイン料理、ビュッフェで総菜を取ったあとレジに着いたときに提供されるんですよね。びっくりしましたよねこのボリューム。総菜を控えめに取っていて良かったと思いました。いやほら…どれもおいしそうだからついいろいろ食べたくなるんですよね…。

ビュッフェにはパンもあったので、次にランチで訪れる時の楽しみにしたいと思います。

ちなみにお水とお茶(水出しの緑茶で、とてもおいしい)はセルフサービスなので友人にお願いしました。

 

「カフェ&ラウンジコフン」の中央には、観光案内所のカウンターがあります。カフェスペースの中です。

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右側の壁にずらりとパンフレットや冊子が並んでいるので、手に取ってお茶しながらどこへ行こうか計画するのもいいですね。

建物の中に多目的トイレもあります。外の広場にも設置されています。

 

屋外ステージ「ステージコフン」は、200人以上の観客を収容できるそうです。

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使われていないときは自由に入ることができますが、客席側からは車椅子では降りられなさそうでした。ちなみにステージの屋根の上は、子供たちが遊べる巨大トランポリンが設置された「ふわふわコフン」です。

ステージコフンの周囲は芝生敷きの「多目的広場」となっていて、子供向け・大人向けの遊具がいろいろ設置されています。

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子供向けのボルダリング。他にすべり台やブランコも。

 

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ストレッチができるベンチ。こちらは大人向けでしょうね。

 

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ぶら下がってストレッチできたりもします。

 

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歩行用の平行棒。これを使えば私も歩けます。ふわふわの芝生を踏みしめるのはとても気持ち良かったですよ。

足元の丸いのは何かというと、説明書きがありました。

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なるほど。チャレンジしてみてください。

芝生の上に寝転ぶ人たちもちらほら見かけました。気持ちいいでしょうね、次は私もぜひ寝転がりたいです。奈良公園と違って、鹿のフンを気にしなくていいですものね!

 

JR天理駅の高架下も、いろいろとリニューアルされています。

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まずは、「南団体待合所」。

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素敵すぎませんかこの空間…!

上の写真左奥に見えるのが、知育玩具などが完備されたキッズスペース。雨の日もお子さんと遊べます。

学校帰りにこんなスペースがあったら、絶対に友人たちと喋りまくってたんじゃないかと思います。

団体利用がない日のみ、自由に利用できます。ここでは飲食も可能ですが、ゴミは必ず自分で持ち帰りましょう。

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めちゃくちゃオシャレ空間です。この奥はトイレで、オストメイト設備のある多目的トイレもあります。

 

以前は観光案内所があったというスペースに、「コフフンショップ」があります。

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店内では、天理をはじめとした奈良県のいろいろな逸品が販売されています。

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その日に入荷するという野菜は、何が入るか当日のお楽しみとのこと。私がひとりで訪れた5月の始めには、新たまねぎが販売されていました。

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さっと炒めたり、みそ汁に入れたらとても甘くておいしかったです。

野菜は入荷のない日もあるそうです。

 

写真には撮れませんでしたが、高架下の一番奥には昔ながらの雰囲気を残す「天理ステーションストア」があります。地元に住む友人の勧めでコロッケをおみやげに購入したら、ものすごくおいしかったです…! ちなみにこのステーションストア内には授乳室やおむつ交換室、キッズスペースもあります。

 

広場の雰囲気も、カフェも、南団体待合所も、とにかくすべてがとてもすてきで、リラックスできる空間だと思いました。もし近所に住んでいたら、毎日通いたいくらいです。

 

cofufun.com

 

「未来」を感じる、電動車椅子。

4月にインテックス大阪で開催された「バリアフリー2017」展へ行ってきました。

参考:バリアフリー2017/慢性期医療展2017/看護未来展2017

そして、そこで、噂の電動車椅子に試乗してきました!

 

まずは、2015年のグッドデザイン大賞を受賞した「WHILL」。

試乗したのは「WHILL Model A」です。

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まずは公式サイトで動画をご覧ください。スタイリッシュなこの外見!

 

私は初めてこのWHILLの動画をインターネットで見たとき、「SF映画に出てくる乗り物っぽい!」と驚きました。このフォルム、未来感がありませんか?

でも、同時に、ちょっと思ってしまったんです。

操作性はどうなんだろうか、って。

凄くシンプルな造りに見えるのですが、かっこいいだけでは困りますものね。

 

そして今回、初めて試乗してみて。

新たな驚きがありました。

マウス型の操作レバー、めちゃめちゃ使いやすい!

私は今、簡易型電動車椅子を使用しています。操作はジョイスティック。スティックの根元を軽く握るように持ち、前に倒して前進します。

WHILLのマウス型だと、掌をのせて軽く操作できるのです。これがとても直感的で、扱いやすいと感じました(長時間操作した訳ではないので、疲労感については未知数です)。

掌でも、指先や指の根元でも、操作の細やかさによって使う場所を変えられそうかも、という印象もあります。それはきっと、長時間の操作においてかなり負担軽減になる気がします。

電動車椅子をふだん使わない人にはイメージしにくいかも知れませんが、前進するためには操作レバーを常に「前進」の位置でキープする必要があります。

ジョイスティックなら、前へ倒し続けるということです。

普通に筋力のある人には笑われてしまいそうですが、「手の筋力が弱い」私は、この「常にレバーを同じ方向にキープする」ただそれだけのことでも疲労します。

マウス型であれば、キープする「手の形」をいろいろと調整できそうだなと感じたので、負担軽減につながりそうな気がしました。

 

左手側には、速度調節や起動スイッチが一体となったレバーがあります。

一般的な電動車椅子の操作スイッチ関連は利き手側に集約してあることが多いですが、このように分けてあることでシンプルな外見の要因となっているのでしょう。

ごちゃごちゃしませんものね。

ただ、私の場合は左手指の動きが右手より弱いので、起動スイッチを入れるのにちょっと手間取りました。また、移動中に最高速度を変えたいときも、恐らく少し時間がかかるように思います(速度はマウス型レバーの操作で調整するでしょうから、普段は使わないかも知れませんが)。

 

座面は前へスライドさせることができ、ベッド等への移乗や、テーブルで食事するときに身体を前へ寄せることが可能です。

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後ろ側、スライドさせた場合と通常時でこれだけの差が見えます。

 

WHILL Model Aは四輪駆動です。

なんと7.5cmの段差を難なくクリアします。これはかなりすごいことです、おそらく歩道へ上がる段差のほとんどはクリアできると思います。もちろん、上り口をスロープにしていない古い歩道は無理ですが、スロープになっていても簡易型電動車椅子では上がれない(道路との境目が微妙に高くなっている)ことはよくあるのです。それらはきっとこのWHILL Model Aの前ではまったく問題にならないでしょう。

そして砂利敷きの上もほとんど速度を落とさずに進めました。こちらもすごいことなんですよ、簡易型電動車椅子だと(車輪が細いこともありますが)馬力が足りないので、砂利に沈んで砂利をかんでものすごく速度が落ち、バッテリーを激しく消耗します。

前輪はキャスターではなく固定されていて、動画で見ていたときは「どうやって曲がるの?」と不思議だったのですが、独自開発の「全方位タイヤ」を採用していました。24個の小さなタイヤで構成されていて、方向を変える時は地面に設置した部分が横回転するのです。すごい。キャスターの場合は前輪の向きを想定して旋回しますが(左旋回した直後に右旋回しようとするとキャスターの向きが逆になるので、やや前後の移動を加えたりします)、これだととてもスムーズに動かせます。

 

この4月に発売された「WHILL Model C」は、Model Aよりかなり軽量化されていて、本体価格も半額以下。しかも3分割できて、セダンタイプの乗用車に積み込めるというのです。電動車椅子をセダン車のトランクに入れる、というのはまず不可能なので、これはかなり画期的なことです。折り畳める車椅子の簡易型電動でも、電動ユニットを横倒しで積むのは推奨されないため、私は自家用車(セダン)移動の場合は手動車椅子を使用しています。

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こちらは展示のみでした。二輪駆動とのことで、ぜひ次の機会には操作感の違いを体験してみたいなと思いました。クリア可能な段差は5cmとのこと。この高さも、スロープになっている歩道の段差ならほぼ問題なく上れると思います。

座面の下がすこんと空いていますが、ここにはなんと標準装備で20L容量のかごを設置できます。買い物した荷物も入れ放題。詳細は公式サイトにて確認できます。

 

ただ、少し気がかりなこともあります。

町なかには、7.5cmや5cm以上の段差が意外に散在しています。例えば路面店の入り口前に10cmほどの段差があるのはよくあることだからです。
「簡易型電動車椅子」であれば、手動車椅子と形は変わらないので、いざとなれば介助してもらうことが可能です。背もたれには介助者用のグリップがありますし、車椅子の後方下部に突き出た転倒防止バー(兼ステッピングバー)を踏んでもらえれば、前輪が上がります。手動車椅子と同様に、段差をクリアできます。

しかし、WHILLに限らず「電動車椅子」は介助されるような設計にはなっておらず、そもそも重量があるので、越えられない段差があっても押してもらうことは困難です。


とはいえ、乗ってみた感動が薄れる訳ではありません。それに、そもそもひとり行動するのであれば、手を借りないと上がれない段差は避けて、入れる店を探します。そういう意味では、馬力があって歩道の段差をクリアできるWHILLに軍配が上がります。

そして何よりもこの外見は、お出かけしたくなるような乗り物。

外出に必須な車いすが「かわいい」「かっこいい」というだけで、モチベーションが上がります。

 

参考:Home - WHILL パーソナルモビリティ 次世代型電動車椅子(公式サイトトップページ)

 


もうひとつ、「アビリティーズ・ケアネット株式会社」のブースで、未来を感じるめちゃくちゃかっこいい電動車椅子に試乗しました。

キャタピラで階段昇降ができる車椅子、「B-Freeレンジャー」です!

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左手側にあるパネルには、この車椅子のいろいろな形態がアイコンで表示されています。階段を上るときはその形態のアイコンにタッチ。するとキャタピラや座面の下が変形するのです。ゆっくりと階段を後ろ向きに上っていくのはとても感動しました。

通常走行時は、写真の前輪キャタピラの前に突き出た部分が上向きになるよう90度回転し、コンパクトになります。

参考出展のこちらは、香港にある会社が製作したもの。まだ日本で認可されるにはいろいろと調整が必要とのことでした。

階段昇降するキャタピラ車椅子の存在は見聞きしていましたが、日常のシーンで使うのに問題ないサイズというのは難しいだろうと思っていました。なので、初めてこの車椅子の動画をインターネットで見たときは本当に驚きました。現実的なサイズにかなり近づいていると感じます。

この先に、車椅子での日常で階段を苦に感じない未来があると感じさせてくれる、かっこいい車椅子でした。

楽しみです。

 

参考:バリアフリー2017出展のお知らせ | アビリティーズ・ケアネット(株)

   アビリティーズ・ケアネット株式会社(公式サイトトップページ)

   Welcome to B-Free Technology Ltd(メーカー公式サイト、英語)

車椅子で、ラーメンを。

ラーメン屋さんって、細長ーい店内のカウンター席で食べるイメージがありませんか?

車椅子を使いだしてから気がついたのですが、そういうタイプのお店に車椅子で行くのはかなり難しいんですよね。

でも、中には店内が広くてテーブル席のあるお店もあります。

今回は、奈良の「車椅子で行けたラーメン屋さん」を3軒ご紹介します。

 

ハナヤマZ

国道など大通り沿いのラーメン屋さんなら、駐車場が広くて店舗も広めなことが多いです。今回は、田原本の24号線沿いにある「ハナヤマZ」さんへ行ってみました。

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「ハナヤマZ」の「ハナヤマ塩ラーメン」

ラーメン鉢のフチに沿うほどに長いメンマ、厚みが1cm近くあろうかというチャーシュー(しかもホロホロにやわらかい!)、しゃっきしゃきのネギと小松菜!

スープは魚介の香りが濃厚ですが、するすると飲めます。麺は平打ちの細麺で、食べるのがゆっくりな私でも最後までおいしく頂けました。

食べ終わるのが惜しい、と思うほどのラーメンに出会えて幸せです。

メニューは他にも、「ウニと魚介の塩ラーメン」「ずわい蟹とスルメイカの醤油ラーメン」「鯛と飛魚(アゴ)だしの醤油ラーメン」「濃厚魚介とんこつラーメン」「濃厚エビ味噌ラーメン」などなど挙げればきりがないほど気になるラーメンが目白押し。

太麺のつけ麺もあるので、それもまた食べてみたいです。

 

最寄り駅は近鉄笠縫駅

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近鉄笠縫駅の東改札口

 

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西改札口

 

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西改札口との間に踏切あり、要注意

 

駅からお店に向かう24号線沿いの歩道には、かなり狭い箇所があります。

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電柱のある場所から少しの間は車椅子1台がギリギリ通れる程度の幅

ここはかなり注意して通行しました。駅から店までは徒歩約8分ほどです。

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ドアが開き戸なので、お店の方に開けて頂きました。入ってすぐに少しスロープ状になっています。

店内の通路はゆったりしています。テーブル席は通路に対して直角に配置してあるので、隣の席にお客さんがいなければテーブルを動かしてもらって入ることができます。90度方向転換するときに車椅子の肘置きがテーブルに当たってしまいましたが、私の車椅子は肘置きを跳ね上げられるので、いったん跳ね上げて向きを変えました。

車椅子のまま席に着くなら、カウンター席の方がスムーズかも知れません。

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テーブルと同じ高さのカウンター席

お店の方がとても親切に対応してくださいました。またぜひ行きたいお店です。

 

参考:ハナヤマZ(食べログ)

 

 

むつみ屋げんき軒

ショッピングモールに入っているラーメン屋さんなら、床もフラットですし多目的トイレが完備されていることが多いので安心です。

イオンモール奈良登美ヶ丘の2階にある「むつみ屋げんき軒」さんへ行ってきました。

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むつみ屋げんき軒」の「芳醇みそらーめん」+味玉トッピング

味噌に酒粕を練りこんだ濃厚なスープ。ラードが多めでかなりこってりしていますが、高菜の酸味とネギのしゃきしゃき感がいいアクセントになっていました。チャーシューはラーメン鉢の半分を覆うほどにジャンボ! 味玉をトッピングしたのも大正解でした。がっつり食べた感があります。

メニューは他に、「北海道みそらーめん」「辛みそらーめん」「とんこつらーめん」「醤油らーめん」「塩らーめん」「香味つけ麺」も。中でも北海道発の「とんこつらーめん」は魚介系を多用したやわらかい口当たりとのこと。近いうちに食べに行きたいです。

 

イオンモール奈良登美ヶ丘は、近鉄学研奈良登美ヶ丘駅からすぐ。

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モール内の店舗のいいところは、店の入口にドアがないので入りやすいということですね。

店内もゆったりしています。

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お店の方に椅子をよけて頂きました。写真を撮るときも親切に対応していただきありがとうございました。

 

どうとんぼり神座

イオンモール大和郡山のフードコートには、「どうとんぼり神座」さんが入っています。

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「どうとんぼり神座」の「おいしいラーメン」+半熟煮玉子+小チャーシュー

家族と一緒だったので、カウンターで注文してもらって席まで運んでもらいました。神座と言えば豚バラ肉と白菜。ときどき無性に食べたくなるのです。フードコートにあるお陰でまた食べることができて、とても嬉しいです。

(写真がうまく撮れていなくてすみません。玉子は割ってから撮るべきでした)

私はこのとき家族と車で行きましたが、イオンモール大和郡山へはJR郡山駅近鉄郡山駅からバスも出ています。

 

参考:イオンモール大和郡山公式ホームページ :: どうとんぼり神座