バリアフリー2018、車椅子編。
バリアフリー2018では、自助具を見るだけでなく、車椅子にも試乗してきました。
まずは、昨年は展示のみだった電動車椅子「WHILL Model C」。
ちなみに、昨年「WHILL Model A」に試乗して興奮した記事はこちらです。
「WHILL Model C」は、モデルAに比べると本当にコンパクト。重量は半分以下の約52㎏です。
操作感はモデルAと同様にとても直感的で、小回りもきいて「さすが」といった印象です。フットレストの上に乗っても傾くことなくどっしりとしているのも力強い。
ですが、やはり二輪駆動である分、馬力はどうしても落ちます。5cmの段差を越えられるとのことで、会場には段差が設けてあったのですが、ある程度の勢いをつけておかないと上れませんでした。私は首がやや弱いので、段差での衝撃対策にいつもゆっくり上がっているんですが、その感覚でいくとダメで、ちょっと下がってから速度を落とさずに進むとクリアできました。
この「WHILL Model C」最大の特徴といっても過言ではないのが、三分割してセダン車のトランクに積み込めるということ。
昨年の記事にも興奮して書いていましたが、「電動車椅子をトランクに積む」って普通はできないことなんです。ゴツい電動車椅子はもちろんですし、私が使用している「簡易型電動車椅子」も、電動ユニットの駆動部が繊細なため横倒しが推奨されておらず、セダン車には積み込めません。私は車で出かけるときはいつも手動車椅子を積んでもらい、出かけた先では家族に押してもらっています。
「WHILL Model C」なら、車で出かけた先でも、介助を頼むことなく自分で操作できるということです(トランクへの積み降ろしの手間はおかけしますけどね)。
私がふだん街の中で遭遇する段差や砂利道のことを考えると、ひとりであちこち出かけるのに不安は残るかな、とは思います。
それでも、「WHILL Model C」が画期的な電動車椅子であることに変わりはありません。
参考:WHILL - 次世代型電動車椅子 パーソナルモビリティ(ホームページ)
今回初めて出会ったのが、ビーチ用車椅子「モビチェアー」です。
「株式会社モノ・ウェルビーイング」のブースで出会ったこの車椅子は、砂浜を進んで、なんとそのまま海へも入れちゃうんです!
座り心地はふんわりしていて気持ち良かったですよ。引っ張ってもらうと、タイヤが太いからか、本当にスーッとスムーズに進みます。
この「モビチェアー」、鎌倉の由比ガ浜海岸で常備されているとのこと。
車椅子を使いだしてから、というより杖をついてからずっと海から遠ざかっている私ですが、今年はちょっとチャレンジしてみようかな、という気持ちになってきました。
こちらの会社では、砂浜など車椅子にとっての悪路に敷く「モビマット」(米国障害者法(ADA)適合舗装路)も取り扱っています。車椅子の車輪は細いので、砂浜では沈んでしまって進むことができませんが、こういったマットがあれば安心。
ちなみに、「モビチェアー」と「モビマット」を製造しているフランスのメーカーでは、特殊車両が使用するマットも製造しているそうです。
車椅子でも行ける場所がどんどん増えて、楽しめることや諦めなくていいことが増えたらいいですよね。
参考:
MONO well-being 株式会社モノ・ウェルビーイング(ホームページ)
バリアフリー2018、自助具編。
4月にインテックス大阪で開催された「バリアフリー2018」へ行ってきました。
バリアフリー展へ行くのは、昨年に続いて2回目。前回は最終日午後からの会場入りで、かっこいい電動車椅子2種に試乗してはしゃいただけで終わってしまったので、今年は3日間の会期中に2回訪れてみました。
昨年の様子はこちら。かなり興奮した文面になっております。だって興奮したから…。
今回の目的のひとつが、前回はほとんど見て回れなかった「自助具」を見ること。
自助具とは、筋力低下やまひなどのため日常生活で困難な動作を、できるだけ自分で容易にできるよう工夫された道具のことです。
大阪のNPO法人「自助具の部屋」のブースに立ち寄りました。
ズラリ並べてあったのは、様々に工夫された自助具の数々。
基本的に自助具は使うひとに合わせて作成されるので、展示されているのは参考品です。
【鉛筆ホルダー】
手の力が弱いと、細い鉛筆をしっかりと握って書くことが難しくなります。
手の形を型取りして作成するものもありますが、練習用ゴルフボールに穴をあけるなど身の回りにあるものを使って工夫されたものもあります。
【注ぎ台】
お茶がたっぷり入った急須は意外と重いもの。「注ぎ台」に置けば、急須を傾けるだけでお茶が注げます。注ぎ台の下は引き出し収納になっていて、茶葉などを収納できます。
【ストローホルダー】【コップホルダー】
ストローを使う時、私たちは無意識のうちに手を使っています。
口にくわえる時、手を添えてストローを固定しますね。でも、手がうまく使えずに口だけでくわえようとすると、ストローはくるくると回ってしまうんです。
それを固定するのが、写真左のコップに装着してある黄色い「ストローホルダー」。形は様々ですが、こうしておけば手で持てなくてもストローがふらつきません。
「コップホルダー」は、取ってのないコップを持ちやすくする自助具です。
こうして引っ掛けられるので、コップがしっかり持てなくても落とす心配がありません。
【びんオープナー】
私が一番感動した自助具がこちら。片手で瓶のふたを開閉する「びんオープナー」。
ベルトの内側に滑り止めがついているので、瓶をしっかりホールドしてくれます。あとは片手でふたを回すだけ。いやこれはすごい。
【グリップつきスプーン・フォーク】
スプーンやフォークが持ちにくくなったひとのための、様々な形状のグリップ。フォークの先がかなりとがっているのは、そうしないと食べ物に刺せないから。丸い先のフォークで刺せるのは、力をしっかり伝えられるからなんですね。
普通に道具が使えていると、力が弱くなったらどんな風に使いにくいのか想像するのはなかなか難しいものです。今回、様々な自助具を手に取ることができて、なるほど! と感嘆することがたくさんありました。
NPO法人「自助具の部屋」では、使うひとに合わせた自助具を、材料費と送料でボランティアの皆さんが製作なさっています。
これまでのノウハウが詰まった自助具の数々を拝見し、お話を聞いて、「頼もしい!」と感じました。
私もいつか、もっと筋力が落ちて日常生活で道具がつかいにくくなったら、お願いしたいなと思います。
※上記ホームページに、全国の自助具製作ボランティアグループの分布図もありますので、ぜひ参考になさってください。
ひとりで乗れる、大阪市営地下鉄 長堀鶴見緑地線。
電車にひとりで乗れる。
それは、普通に歩いている人にとってはごくごく当たり前のことだと思います。
私も、歩いていた頃はそれが特筆すべきことだとは思っていませんでした。
5年半前に車椅子を使い始めた私は、屋外では自力でこぐのが難しかったので、外出するには必ず家族の介助が必要でした。
電車に乗るときは、駅員さんに声をかけてスロープ板を出してもらうこともあれば、そのまま家族の介助だけで乗ることもありました。
簡易型電動車椅子を使うようになってからは、ひとりで出かけることが多くなり、電車に乗るときは必ず駅員さんに声をかけて、スロープ板をお願いしています。
私が電車に乗るときの手順は、こうです。
- 乗車駅の改札口で、駅員さんに「○○駅まで行きたいので、スロープをお願いできますか?」と声をかける
- 駅員さんが降車駅(乗り換える場合は乗換駅も)に連絡を取ってくれて、ホームまで来てくれる
- 電車が来たら、駅員さんにスロープ板を渡してもらって、乗車する
- 降車駅(または乗換駅)に到着したら、ホームに駅員さんが待機していて、スロープ板を渡してくれるので、降車する
大きな駅では、2.で乗車案内専門スタッフさんが引き継いで、混雑するホームを颯爽と案内してくださったりして、とても心強いです。ただし、案内してもらえるまでにかなり待機することもあります。
簡易型電動車椅子を使いだして、3年を超えた私は、すっかりこの手順にも慣れました。電車に乗るってこういうことだよね、と思っていました。
先日、友人と大阪市内へ遊びに行った時のことです。
行程の途中で、「谷町六丁目」から「心斎橋」まで移動することになり、市営地下鉄「長堀鶴見緑地線」を利用することにしました。
歩いていた頃に何度かこの路線に乗車したことはありますが、車椅子では初めてでした。
だから、知らなかったんです。
地上から地下へ降りた位置が谷町線の改札口に近かったので、そこで駅員さんに聞いたんです。
私「長堀鶴見緑地線に乗りたいんですが、(ここの改札の)中から行けますか?」
駅員さん「行けますよ、そこのエレベーターで降りて…(説明してくれる)」
私「スロープお願いするのは、向こうで駅員さんに頼めばいいですか?」
駅「大丈夫ですよ、そのまま乗れます」
私「えっ」
駅「長堀鶴見緑地線は、車椅子でそのままご乗車いただけます」
>>車椅子でそのままご乗車いただけます<<
このパワーワードたるや!
どういうことなの、と半信半疑になりつつも、駅員さんが仰るんだから間違いないよね、と友人とホームへ向かいました。
長堀鶴見緑地線にはホームドアが設置されていて、通路が狭くても安心です。
「どこから乗ります?」と友人と相談して、こういう会話自体が久し振りだと気がつき浮足立つ私。
そのまま乗れるってことは、降車駅で待機してもらう必要がない(乗るべきドアが指定されない)ので、どこから乗るのも私たちの自由な訳です…!
ホームに滑り込んできた電車も、いつもより近く見えたりして。
ドア前で待つ他の乗客の後ろで待機し、降りる客のあとに乗り込む他の乗客に続いて、そのまま、いざ前進。
おおお。
おおおおお…!
乗れました!!
車椅子でそのまま乗車できる理由は、ふたつ。
- 電車の床とホーム間の隙間が狭い
- 電車の床とホームに高低差がない
このふたつの条件が揃って初めて、車椅子を前進させるだけで乗降できるのです。
降りる時に、友人に写真を撮ってもらいました。
長堀鶴見緑地線の車両とホームの隙間は、約2cm。前輪のキャスターもはまらない程度なので安心です。
スムーズに降りられました。
駅に着いて、黙って改札を通って、ホームに行って。
来た電車の、好きなドアから乗って、着いたらそのまま降りる。
この「歩いていれば全く気にも留めないごくごく普通のこと」が、今の私にとってこんなに興奮する出来事なんだなあと。
乗車した時間はほんのわずかでしたが、いつまでもこの高揚感がおさまりませんでした。
大阪市営地下鉄では、ほかに千日前線でも全駅でこのように対策済みのようです。
参考:大阪市交通局|プラットホームと電車との段差・すき間対策について
ひとりで勝手に乗って勝手に降りられるということは、つまり、途中下車ができるということ。
ふだん降りる駅で待機していただく必要のある私は、途中で思い立って電車を降りることができません。なので、忘れてしまっているんですよね、ふらっと途中下車する楽しみを。
今度は、ぜひとも、何も計画せずにこの路線に乗りたいです。
そして、「あっ、ここで降りてみよう」というあのワクワクを、思い出したいです。
奈良県内最大のスタバへ、バスで。
昨年12月15日に、奈良市にある鴻ノ池のほとりにオープンした、「スターバックス コーヒー 奈良鴻ノ池運動公園店」。
奈良県内最大の店舗面積を誇るこの店に、2月初旬にようやく行ってきました。
というのも、最近やっとブラックコーヒーが飲めるようになったばかりの私。これまでは、カフェラテが好きでスタバに行っていたんですが、喫茶店では基本的に紅茶を頼むことが多かったんです。
ところが、友人宅で淹れてもらったコーヒーが、ブラックでもとても飲みやすくて。
それをきっかけに、自宅でも砂糖ミルクなしで飲んでみるようになった訳です。
ちょっと慣れてきたかな、という頃合いに、「スターバックス コーヒー 奈良鴻ノ池運動公園店」のオープンを知りまして。
奈良県初(そして現時点では奈良県で唯一)この店舗だけで提供されているという、「スターバックス ナイトロ コールドブリュー コーヒー」をですね、ぜひに頂きたい! と思いまして。
行ってまいりました。
事前にお店に確認したところ、最寄りのバス停は「鴻ノ池」と「市営球場」のふたつが同じくらいの距離だとのこと。JR・近鉄奈良駅方面から向かうなら、手前の「鴻ノ池」が便利です。
奈良駅方面から乗ってくると、写真左手のバス停に到着します。写真手前に横断歩道があるので、鴻ノ池(写真右手)に向かって渡ります。
ここから池を見てみると。
池の北岸に、確かにスターバックスの文字が! そしてガラス張り!
池沿いに北へ向かいます。
すると、新しい道ができています。
この先が、お店です。
まだ芝生が新しいというか、馴染む手前というか。初々しい雰囲気です。
池に面して、広くデッキになっています。
ちなみに、冒頭の写真は店舗の下に続く遊歩道から撮ったもの。池のすぐ近くまで降りられる遊歩道は、車椅子やベビーカーでも行けるスロープ状です。
スロープ状ということは、ジョギングでも走りやすいかも知れませんね。
池の周り全てが車椅子で水面近くまで降りられる訳ではありませんが、段差なく池を周回することができるようになっています。これは嬉しいですね。
さて、店舗の入口はこの真裏にあります。
ドアが開き戸なので、車椅子ひとりでは開けるのが難しいですが、通路にインターホンが設置してあり、ここで店員さんにお願いできます。(ちょっと私には位置が高かったので、お店の方にそうお伝えしました)
店に入ってすぐに注文カウンターがあるので、混んでいる時はちょっと通りにくいかも知れません。私が訪ねたのは平日の15時半で、ここは混雑してはいませんでしたが、店内はほぼ席が埋まっていて、とても盛況でした。
ちなみに、注文カウンター右手の通路奥に、多目的トイレがあります。
スターバックスコーヒーでは、相性のいいコーヒーとフードの組み合わせを「フードペアリング」として提唱しています。実はこれも憧れだったんですよね。
この日のドリップコーヒーは、「グアテマラ カシ シエロ」。ココアに似た味わいの豆との説明を聞き、店員さんに勧めてもらった「ザッハトルテ」と共にいただくことにしました。
席までは、店員さんがトレイを運んでくださいます。
これはどの店舗でもそうですが、杖をついていた頃も、車椅子を使いだしてからも、スタバではたいてい私がお願いする前に店員さんの方から「お席までお持ちします」と言ってくださるので本当に助かります。
杖をつきながらトレイを持つのは非常に不安定なので、セルフサービス式の店ではドキドキしながら「運んでもらえますか?」と尋ねていました。だから先に言ってもらえると嬉しくなるんです。
車椅子だと、並んでいるときにメニューを持って来てくださるんですよね。注文カウンターは高めの位置にあることが多く、確かにメニューを見るのが難しいので、とてもありがたいです。
まずは「グアテマラ カシ シエロ」をブラックでひとくち。おお、確かにココアっぽい香りがします。
続いてザッハトルテを口に運び(濃厚なのに甘さ控えめ)、その後でまたコーヒーを飲むと。
わあ、なんでしょうこれ、さっきと味が違う。香ばしさが増した感じです。おいしい!
ドリップコーヒーは日替わりで、豆によって味が違うので、ペアリングも変わってくるそうです。もちろん好みもあるでしょうけれども、これからも店員さんにオススメを聞いて注文したくなりました。
ちなみに、私にはスタバのマグカップはちょっと重いので、店内で頂くときも今は紙カップでお願いしています。
これも、必ずと言っていいほど注文時に店員さんが確認してくださるんですよね。それも嬉しいです。
さて、そうです、飲みたいなと思っていたあのコーヒーです。
現時点で、奈良県では唯一このお店だけで頂けるという、「スターバックス ナイトロ コールドブリュー コーヒー」です。(近畿圏では他に大阪、京都、兵庫に提供店舗があるそうです)
この店舗の受取カウンターは、他店に比べてちょっと低め。
そのカウンターの中央で、注文ごとにバリスタさんが1杯ずつ注いでくださいますよ。
車椅子に座ったままでも、しっかりとその様子を眺められます。
今回のグラスはトールサイズ。水出しコーヒーに窒素ガスを注入して注がれます。
注がれてすぐは、薄い茶色。底からじわじわと色が濃くなっていきます。
このあと、後ろの写真のようにどんどんと濃い色が上がっていき、やがて完全にコーヒー色に。でも、水出しなのでアイスコーヒーのような苦味はなく、時間が経ってもほとんど味が変わりません。氷を入れないので薄まらないのもいいですね。
夏場はのんびり飲んでいるとぬるくなるかも知れませんが、私は冷たすぎる飲み物が苦手なので、かえっていいかも、と思いました。
窒素ガスによって生まれるクリーミーな泡はほんのりと甘みを感じます。苦味のないまろやかな飲み口の中に香ばしさもあって、とても飲みやすいコーヒーでした。
これは癖になりそう…!
ただですね、私は自分がまだブラックコーヒー初心者であることを失念してまして。
おいしいからと調子に乗って飲んでいたら、胃を壊しましてですね…。
とりあえず、しばらくはブラックで飲むのは1杯までにして、2杯目を頼むならカフェラテにしようかなと思いました。はい。
大屋根の下のテラス席には、テーブルもあります。
暖かくなったら、ここでのんびりするのも良さそうですよね。
犬の散歩途中に訪れるお客さん用に、リードをかけるフックがいくつか設置されていました。
窓のサッシは木製で、周囲に溶け込みます。
そして、陽が落ちると。
ライトアップされた植樹が、雰囲気を一変させます。
営業は8:00から22:00まで。
バス通りの歩道はやや荒れているので、夜はライトを使うなど注意は必要ですが、この雰囲気を味わいにまた行きたくなりました。
ところで、JR・近鉄奈良駅方面へ向かうバス停「市営球場」は、実は建物のすぐ近くにあります。
この写真の左手に、先ほどの鴻ノ池へ下りる道があるので、本当に建物のすぐ傍なのですが。ここ、残念ながら階段なんですね。
車椅子で歩道へ下りようと思うと、さっき来た道でバス停「鴻ノ池」へ向かうことになるので、奈良駅に近いそちらの方がいいんじゃないかなと。
運行している全てのバスに車椅子で乗れるとは限りませんが、奈良駅方面から鴻ノ池まで行けるバスはそこそこ本数があるので、乗れないバスが来ても次を待てば行けると思います。
乗る時刻が解っている場合は、前日までに奈良交通の路線を管轄する営業所へ連絡しておけば、スロープのあるバスで運行してもらえます。また、当日でも管轄の営業所でその日の運行状況を確認できますよ。
参考:
スターバックスコーヒー
Starbucks Coffee Japan - スターバックス コーヒー ジャパン(トップページ)
奈良町の猫カフェ、寧估庵。
猫、かわいいですよね。私も大好きです。
でも、自分で飼ったことがないからか、滅多に触れ合えたためしがないんですよね。
歩いていた頃に何度か猫カフェに行ったことがありますが、猫じゃらしも扱いがヘタらしくてじゃれてくれないし、撫でるのも怖々だからかスルッと去っていかれたり。
なので、これまでは基本的に、遠くから猫たちの愛らしいさまを眺めて満足していたんです。それでも充分満足だったんです。
奈良町にある猫カフェ「寧估庵」さん。
以前から、奈良町を訪ねる時に何度も前を通っていて、気になっていました。
店内は土足OKの板張りで段差もなく、車椅子のまま入店できます。
今年の元旦からリニューアルオープンされたので、お正月の3日に訪ねてきました。
席に案内していただき、マフラーを外したりコートを脱いでいる間に、早くも1匹の猫がふわりとテーブルに乗ってきてくれました。
たぶんこの子の名前はアッシュだと思うんですが(この猫カフェ最古参で「ボス」だそうです)、もし間違ってたらごめんなさい。
奥に見えていますが、窓の上には猫たちのすてきな写真がたくさんあります。どれもかわいくてかっこいい…!
さて、この子がいきなり歓迎ムードでお出迎えしてくれた時点でもう「今までの猫カフェとは違うぞ」と感動しておりましたら。
なんということでしょう。
テーブルに、これでもかと猫たちが跳び乗ってきてくれたんです!
ピントが合わない…!
近い…!
この子たちの視線の先で、店主の小豆澤裕子さんが猫おやつを用意してくださっています。
小豆澤さんはとても朗らかな方で、私がTwitterで問い合わせさせていただいた時から丁寧にご対応くださいました。当日もいろいろとお気遣いくださって、本当にありがとうございます。
この日はお正月ということで、猫たちには特別に「お年玉」として「CIAOちゅ~る」が振る舞われました。私たちが受け取って、猫たちにあげます。
奪い合われるちゅ~る…!
がんばって自力で撮影しましたが、ボケててすみません。
猫の舌のザリザリとした感触が、袋を通じて手に伝わってきます。ほんとに、ザリ、ザリ、ってするんですよね。で、ちゅ~るの中身を絞って指が先端に近づくにつれ、猫の口元にも近づく訳で。
最終的に、めっちゃ舐められました(笑)
猫の舌、肌で感じると痛いですね。こんなに舐められたの初めてです。
ふわふわの毛並みにそっと触れてみると、なんと、撫でられてくれるんですよ。
当たり前とか言わないでください。私これまで、どの猫カフェでもこんなあっさり撫でさせてもらえたことないんですよ…!
幸せです。もうほんとに。ずっとここにいたい。
テーブルに乗るのはちょっと…な子たちや、にゃーにゃー鳴くんだけどシャイな子もいるので、近寄ってくれた子たちだけそっと撫でさせてもらいました。
この子はちょっと控えめに、床から見上げてくれた子。かわいい。
おやつタイムの後は、猫たちそれぞれ好きな場所でくつろぐようです。
テーブルの上で、前足をしまい込んで並び座る猫たち。かわいい。眺めているだけで幸せ。
寧估庵さんは、もともとは骨董店だったそう。落ち着いた店内のあちらこちらに、古いランプが置かれています。そして、その傍には猫がまるくなっているのです。かわいい。
中には毛づくろいする子も。
あられもない恰好…!
…じっと見てたら、気づかれちゃいました。邪魔してごめんね。
集まる猫たちもかわいい。
あちこちキョロキョロしたりウロウロしてテーブルに戻り、お茶を飲んで一息ついてふと横を見ると。
前足をちょんとテーブルに乗せて…! 何てかわいいのアナタ…!
と思ったら私のノートが開いてるのが気になった様子。
帰る直前に、テーブルにまた1匹の子が乗ってきてくれました。
尻尾をくるりと巻いて凛と座るこの姿、私はとても好きなんです。
チラッとこっちを見てくれました。かわいい。
この時、この子には手を触れませんでした。また来るね、と声をかけました。
写真を見返していて思いましたが、この子はもしかしたらおやつ後にテーブルで2匹ならんでくつろいでくれた子かな?(違っていたらすみません)
もしそうだとしたら、帰る前にちょっと顔見に戻ってきてくれたのかしら。嬉しい。
店内は、3つのテーブルをゆったりと配置してあり、車椅子で安心して移動できます。
この写真は店内から通り側を見たところ。
私が案内していただいたのは丸テーブルだったので、電動車椅子の操作レバーが邪魔にならず嬉しかったです。
この日は常連のお客さんたちがたくさんいらしていて、相席させてもらっていろいろ教えていただきました。猫たちの名前とか。全然憶えられなくてすみません! 憶えられるように通いたいです。
なお、店内にあるお手洗いは車椅子ごと中に入ることはできませんが、手すりが設置されているので、伝い歩きができる場合はドアの手前に車椅子を置いて入れると思います。私はそうさせていただきました。
手伝ってくださった常連のお客さん、ありがとうございました!
寧估庵さんは、左側がギャラリースペース、右側が猫カフェとなっています。
いずれも店頭に大きな段差はありません。
ギャラリーは奥の間が畳敷きなので段差がありますが、おもての間は車椅子のまま入れます。展示されているものによっては車椅子の操作に注意が必要です。
中のガラス戸で行き来できるようになっていますが、車椅子で通るのは幅がちょっと不安だったので、猫カフェへは表から入りなおしました。
こちらが猫カフェ。引き戸の前にやや傾斜があります。敷居は簡易型電動車椅子で自力で越えられました。
猫カフェの営業は、月・木曜日定休。平日は13~17時までのフリータイム制で料金2000円、土日祝日・正月・GWは13時~・15時~の二部制で料金1500円。いずれも猫おやつと、無農薬有機栽培の大和茶ほうじ茶がついています。
大和茶ほうじ茶、とてもおいしかったです。ちなみに、追加料金で大和茶紅茶やスペシャリティー珈琲も頂けるそうですよ。
※猫カフェへの中学生以下のお子様のご入場はご遠慮くださいとのことです。
猫カフェの詳細やギャラリーの展示予定など、ホームページで確認できます。
また、店主の小豆澤さんのTwitterアカウントはこちら。
猫カフェ寧估庵 ギャラリー寧估庵 (@cafenekoan) | Twitter
近くにある、車椅子で入れるトイレのある施設もご紹介しておきます。
奥に、車椅子のまま入れる広めのトイレがあります。古い井戸や庭も眺められます。入場無料。トイレ利用の際にはスタッフの方に声をかけましょう。ただ、1階の催事によっては入りにくいこともありますのでご注意を。
私は奈良町を訪ねる際にこちらのトイレによくお世話になっています。受付でひとこと声をかけて利用します。ホールで展示や演奏会が行われている時は、そちらも楽しめます。