車椅子、ときどき杖。

外出には車椅子を使っています。ときどき杖も使います。車椅子で訪れたスポットや、普通に歩いていた頃には気づかなかったいろいろや、便利だと思う道具について。

弱い力でも使いやすい、文具たちいろいろ。

このブログでは今までご案内していなかったのですが。

実は昨年3月から、わたくし、文具をご紹介する連載をさせていただいております。

 


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タイトルは、

「車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち」

であります。

 

毎月25日掲載でして、現時点での最新は11月のこちら。

■車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #21「細いのに持ちやすいカラーペン」

www.buntobi.com

三菱鉛筆さんの「EMOTT」がすばらしい、と語っておりますので、ぜひご覧いただければと。

 

掲載していただいているWEBマガジン「文具のとびら」は、文具のことなら何でもここを見ればわかる、文具好きにはたまらないサイトです。

その中に、連載として「力が弱くなった私でも使える文具」を加えていただけたことを、とても嬉しく思っております。

 

私がこのブログを書き始めたとき、「私の使うものが、どなたかにも使いやすいものかも」という気持ちで道具についても書いてきました。

その気持ちは、今でも、どこに文章を寄せるときも、変わっていません。

今後も、文具については「文具のとびら」にてご紹介していきますので、また随時ブログでもご案内いたします。

 

これまでの連載一覧はこちらです。

車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち

 

■文具のとびら トップページ

www.buntobi.com


 

神戸でいただく、絶品煮込みハンバーグ。

投稿が久し振りすぎてすみません。

ぼちぼち元気に過ごしております。

 

私の住む奈良から神戸方面まで行くのに、以前なら大阪で複数回の乗り換えをしていましたが、近鉄難波駅から阪神線へ乗り入れを始めてからは、時間はかかるものの電車に乗っていれば三ノ宮まで連れて行ってもらえるので、とても便利です。

車椅子での乗り換えは時間もかかるので(駅員さんにもお手間おかけしますし)、きっとこの乗り入れがなければ、私はこんなに神戸まで出向いてないと思います。

 

そうなんですよ、ここ数年、年に3回程度は訪ねてるんですよね、神戸。

 

先日も、友人と一緒に文具のイベントへ出掛けたのですが。

その道中、遅めランチのためにふらりと立ち寄った洋食屋さんで頂いた煮込みハンバーグが、もう絶品だったのです。


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正確なメニュー名は「名物 煮込みハンバーグ シチュー仕立て 神戸近郊野菜添え」。

アツアツの鉄鍋で提供された、粗挽きミンチのハンバーグ。濃厚なシチューでぐつぐつ煮込まれていて、やけどに気をつけつつスプーンで切り取ってひとくち。噛むとしっかりと弾力があります。お肉を頂いている、という満足感たるや。

 

私は左腕で体幹を支えたいため、食事の時も両手を使うのが苦手なのです。だからナイフとフォークを使うのも苦手。でも、この煮込みハンバーグは器が深めで小振りなため、スプーンで切ってすくい上げるのにハンバーグが安定してくれて、片手でも楽に頂けました。

ともに煮込まれているお野菜は、写真には見えていませんが、豆の他にじゃがいも、にんじん、パプリカ。そちらはナイフを使って先に一口大に切り分けました。

 

パンもとてもおいしかったです。ミニチュア食パンみたいな形をしていて、表面はカリッと香ばしく、中はふわふわ。

そのまま頂くとパンの甘みが味わえますし、シチューにひたしてもおいしい。


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私たちが訪れたのは平日の13時半頃。

ランチメニューは売り切れのものもありましたが、この煮込みハンバーグをはじめ、他にも気になるメニューがたくさんあって、迷わず入店しました。

 


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店頭のスロープは手前にやや段差があるように見えますが、簡易型電動車椅子で問題なく上がれます。入口ドアは片方開いた状態でもちょうどすり抜けられました。

店内手前のフロアは段差もなく、椅子をよけていただき車椅子のまま窓際のテーブルにつきました。

フロアの奥の方は、一段上がった先にあるようです。

 

次は他のメニューも頂きたいです。

ハンバーグ好きにはたまらないお店に出会えて、ホクホクしています。

 

お店のサイトはこちら。

●神戸デュシャン

http://www.kobe-duchamp.com/index.html

 

 

大さじ・小さじが計れる、ミニ計量カップ。

料理をするとき、調味料を計量するのに大さじや小さじを使うことがありますよね。

私は手の力が弱めで、震えたりもするので、液体の計量が苦手です。特に、料理酒のように大きな容器に入った調味料を大さじで計るとなると、大さじを持つ手もプルプルするし、片手で重たい容器を持ち上げて傾けるのもかなり大変なのです。

ところが先日、100円均一ショップの「キャン★ドゥ」で、そんな私にぴったりな計量カップを発見しました。

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「イノマタ化学」さんの「ミニ計量カップ」です。

説明書きはこちら。

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大さじの目盛りは1~3杯までで、0.5杯、1.5杯、2.5杯も計れます。

小さじの目盛りは1~6杯まで。サイドには5~50mlの目盛りもついています。

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…この写真ではちょっと判りにくいですが、液体を注ぐと白抜き文字で見えます。

大さじ・小さじの目盛りは斜めになった注ぎ口側にあるので、小さい計量カップでも見やすいですよ。

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これがあれば、大きな容器の調味料を両手で持って注げるので、とても安定します。便利!

私の場合は、さらに両肘を台について、震えることなく計量できました。すばらしい。

買って良かったです。

 

 

パッケージには、しっかり「日本製」と表記してありました。

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参考:イノマタ化学|ホームページ (公式ホームページ)

 

 

蓋なし急須、「ちゃーみる」。

急須には蓋がついています。そんなの当たり前ですよね。

体幹の力が弱く、左肘をテーブルについて身体を支えたい私は、たいてい右手だけで急須からお茶を淹れています。ちょっと横着に見えますが、人差し指でふたを押さえたりして。もちろん、最後まで注ぎきるほどに傾けると指では抑えきれないこともあるので、その時は左手を添えます。

 

ある日、友人から「こんな急須があるよ」と教えてもらったのが、蓋なし急須でした。

 

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蓋なし急須「ちゃーみる」

私が手に入れたのは、晶光園の「フタなし急須 ちゃーみる」430ml。開口部が広く、持ち手が長いのが特徴です。

使ってみて、その扱いやすさにビックリしました。持ち手の外側が膨らんでいるので、握りやすいんですね。そして、蓋のことを気にしなくていいのがこんなに楽だとは。

 

一般的な家庭用急須はカゴ状の茶こしに茶葉を入れることが多いですが、「ちゃーみる」は中にそのまま入れるので、お湯を注ぐと茶葉がのびのびと大きく開くんです。

茶こしは注ぎ口の内側にあります。

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網目の細やかな茶こしが固定されている

一般的な家庭用急須では、カゴ状の茶こしの中で茶葉がぎゅうぎゅうに開き、茶こしに葉や茎が刺さって洗いにくいことがありますが、「ちゃーみる」にはそんな心配がありません。

大きく開いた茶葉を、この細やかな茶こしがやさしく留めてくれるので、最後の一滴までしっかり注げます。

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様々な工夫が見て取れる「ちゃーみる」

大きな開口部は注ぎ口がせり上がり、傾けても溢れません。

急須を洗う時には、上の写真で持ち手の右側にある、開口部を外へ引っ張って広げたような部分が、茶葉を掻き出すのにとても便利なんです。

すばらしい工夫ですね。

 

蒸らす必要のあるようなお茶には向かないかも知れませんが、自宅での日常的な使い方であれば、茶葉がしっかり開く分こちらの方がおいしく感じるほどでした。

「ちゃーみる」は、色や柄、サイズの種類が豊富なので、ぜひ検索してみてください。

 

 

同じように便利グッズとして私が愛用しているトングについて、以前に投稿した記事に写真を追加して更新しました。よろしければ併せてご覧ください。

nam-kid.hatenablog.com

ギャラリーで、アートを楽しむ。

アートを楽しむ場所としてまず思い浮かぶのは、美術館、博物館、そしてギャラリーではないでしょうか。

美術館や博物館は、ありがたいことに、たいていの建物に車椅子で入れます。

車椅子ユーザーになってからも、奈良や大阪、京都、東京、福岡の美術館・博物館を訪ねたことがあります。

けれども、町なかにある小さなギャラリーとなると、なかなかそうはいきません。

いいなと思う展示の情報を得たり、ふらっと通りかかったギャラリーで好みの展示を見つけても、階段しかない小さな建物だったり、スペースが難しかったりして、入るのを諦めることって割とあったりするんですよね。

 

いま奈良県で開催されているアート祭典の公式ガイドブック「奈良県大芸祭・障芸祭Walker」に掲載されていたギャラリーが、車椅子で安心して楽しめたので、ご紹介します。

「アートスペース上三条」さんです。

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1階にカフェスペースと多目的トイレがあり、2階がギャラリースペースです。そして、2階へ上がるエレベーターもあるんです。

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エレベーターの隣に、男女別で広いトイレが。

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車椅子で入れるトイレがあるという安心感は、とてもありがたいことです。ほんとうに。

 

 

 

私が訪ねた10月初旬、ギャラリースペースでの展覧会は2つでした。

ひとつは、「榎森彰子 大和てくてく ふだん歩き展」。

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不透明水彩絵の具の三原色と白色のみで描かれるのは、奈良のごく普通の風景。何処かで見たことのあるような、身近で懐かしい風景が、やわらかな色合いで描かれています。

中でも、私がとても好きになった絵が、こちら。

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榎森彰子 画「奈良市高畑町 瑜伽神社あたり」

サビたトタンの壁や、黄色と黒のカバーがついた電信柱、子供たちの声が聞こえてきそうな路地。この道は私の知っている場所ではないはずなのに、この風景を私は知っている、そんな風に思えて、しばらくこの絵の前から動くことができませんでした。

 

榎森彰子さんの展覧会は、11月23日(金・祝)~12月4日(火)まで、近鉄奈良駅すぐの小西さくら通りにある「啓林堂書店奈良店 よもやーろギャラリー」でも開催されます。

 

 

 

もうひとつの展示「山口光司 ジュエリー展」では、物語のあるデザインのシルバーアクセサリー「moge」がすてきでした。

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月夜に寄り添う猫。リングの内側で2匹のしっぽがハートを描いているのは、身に付けた人だけが知っている訳です。ものすごくすてきじゃないですか?

 

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私のスマホではきれいに撮れなかった鳥たち。オカメインコエナガ。ふわふわした愛らしさがもうたまりません。

 

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「同じ月を見てた」。ふたつのペンダントで、オオカミとヤギが同じ月を見上げています。並べると曲線が添うように合わさるのがすてき。

 

他にもたくさん、じっくりゆっくり眺めさせてもらいました。写真の掲載を許可いただいたのに、スマホではきれいに撮れなかったのが残念です。

 

山口光司さん「Atelier 望」ホームページ

 

 

すてきな作品を鑑賞するだけでももちろん楽しいのですが、ギャラリーの良いところは、気に入った作品を購入できることですよね。いつか私も好きな作品を手元に迎えられるよう、お金を貯めたいと思います。

 

 

 

アートスペース上三条は、奈良市三条通りとやすらぎの道交差点から南東へすぐの路地裏にあります。

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やすらぎの道は歩道がかなりデコボコしているので、車椅子での通行にはかなりの注意が必要です。

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駐車場の看板の下に、道順の矢印が掲示されています。左(東)へ曲がります。

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ちょっと不安になる細道ですが、大丈夫です。

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車椅子と歩く人とがすれ違えないところも一部あるので、前方をよく確認しつつ進みます。途中で左(北)へ曲がりますが、表示が出ているので判りやすいです。

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曲がった先にあるアートスペース上三条。

1階のカフェでは、ドリンクやケーキが頂けます。アート作品を見たお客さんと作家さんが心地よくおしゃべりできるようにとカフェをオープンなさったそう。

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カフェの中央には、大きなテーブル。

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その周囲に、様々なテーブルと椅子が並んでいます。

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ギャラリーを楽しんだあと、この居心地のいいカフェでゆったりと過ごしたくなりました。

 

アートスペース上三条のブログにて、展覧会スケジュールが確認できます。

ameblo.jp