車椅子、ときどき杖。

外出には車椅子を使っています。ときどき杖も使います。車椅子で訪れたスポットや、普通に歩いていた頃には気づかなかったいろいろや、便利だと思う道具について。

大仏さまに会いに、東大寺へ。

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生まれも育ちも奈良市の私にとって、東大寺の大仏さまはとても身近な存在です。

その東大寺の大仏殿に、車椅子で参拝できることをご存知ですか?

友人と一緒に、行ってきました。

参考:華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ(トップページ)

   境内のご案内|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ(境内地図)

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大仏殿入堂口の脇にスロープが設置してあります。

入堂口で受付をする時に車椅子利用であることを伝えて、スロープを開けてもらい西廻廊へ入ります。

※受付は階段を上がった先にあるので、参拝は歩ける同行者と一緒に行くのが望ましいかと思います。

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西廻廊に上がると、「車椅子専用参拝通路」の案内板が。

その向こうには、中庭が見えます。 

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この日はとてもいいお天気で、若草山まですっきりと見えました。

 順路に従って、西廻廊を進みます。

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 突き当りを曲がって西袖廻廊へ入ると、なだらかなスロープが。

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 とてもスムーズに上がれました。

上から見ると、床の微かな凹凸に合わせて柱が1本ずつ調整してあるのが判ります。安心して通れるスロープだと感じました。

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大仏殿の入口横には、柵が設けてあります。

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友人に開けてもらって通りました。

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入口のスロープを越えると、すぐ目の前に大仏さまが!

(ここで撮影した写真はブレまくっていました。いかに興奮していたかが解ります…)

 

大仏殿内の床はとてもなめらかで、車椅子での移動に全く支障ありません。

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 ただし、参拝客が多いので、車椅子の操作にかなり注意を払いました。

 

ところで、西側にあるこの急な階段が私はとても好きです。

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怖くて途中で上ることも下りることもできなくなりそうだな、と子供の頃から思っていましたが、いま見上げても怖いです…。

 

ぐるりと回って、東側から大仏さまを見上げました。

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じっと見上げていると、言葉はまったく出てこなくて、ただずっとこの場に居たいという気持ちになりました。

 

通常の参拝ルートでは東側の出口から外へ出るのですが、車椅子は入ってきたスロープへ戻ります。大仏さまの正面へ抜けるための柵があるので、ここも友人に開けてもらいました。

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スロープは、内側も外側もそれぞれL字型で、合わせてコの字型になっています。省スペースで傾斜をなだらかにするための工夫だと感じました。

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スロープの頂点から外を見ると、歩行者が通る通路が見渡せます。

昔ここを歩いて通ったことを懐かしく思い出しました。

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※車椅子参拝経路について、現在は西廻廊~西袖廻廊となっていますが、大仏殿廻廊修理工事のため、11月上旬より東袖廻廊に設定される予定とのことです。

東大寺境内では下記の2か所で車椅子の貸し出しを行っています。

 ・大仏殿前にある警備詰所(主に南大門~大仏殿の参拝者を対象)

 ・大仏殿入堂口(大仏殿内の参拝者を対象)

 参拝後は必ず借りた場所へ返却します。

 

 

東大寺の参道の石畳は中央が平らになっていて、車椅子でも振動をほとんど感じずに通れます。ただし、鹿がたむろしていることもあるので、その時は覚悟を決めて迂回します。

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大仏殿に向かう時に通る南大門は車椅子でくぐることはできませんが、脇道も石畳が平らになっているので、スムーズにぐるりと回りこめます。

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こちらは南大門の北側。見上げると屋根の重厚さをひしと感じます。

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北側は写真撮影する観光客が少なめな上に陰になっているので、石段の近くまで寄れば仁王像が見えます。

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 陰で涼しいのか、鹿が休憩していたりします。

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観光客が通り過ぎてもまったく動じることなく、ぺたりと寝転んでいました。

 

お水取りで有名な二月堂などのあるエリアへは車椅子で向かうことが難しいですが、車両専用道路があるので、タクシーですぐ近くまで行くことができます。

 

 

東大寺ミュージアムへも立ち寄りました。記事はこちら。

東大寺ミュージアムにて、「東大寺の歴史と美術」展。 - 車椅子、ときどき杖。