車椅子、ときどき杖。

外出には車椅子を使っています。ときどき杖も使います。車椅子で訪れたスポットや、普通に歩いていた頃には気づかなかったいろいろや、便利だと思う道具について。

車椅子ひとりで入れるカフェ、ならまち編。

車椅子でひとり出かけると、いざ「カフェでお茶でもしたいな」と思ったとき、入れるお店になかなか出会えないことがあります。

誰かと一緒なら開けてもらえる開き戸は、車椅子ひとりでは開けることができません。

前輪が乗り越えられない段差があると、ひとりでは上がることができません。

もちろん、お店の方が気付いて手伝ってくださることも多いですし、実際そうやって助けて頂いたこともあるのですが。

 

「ここなら確実にひとりで入れる」というカフェを知っていると、その町を散策しやすくなります。

あちこちチャレンジしてみてダメだったとしても、あそこに行けば大丈夫、という安心感があるからです。

 

今回は、ならまちや奈良公園界隈を散策するときにとても重宝できるカフェを2軒ご紹介します。いずれのカフェにも車椅子で入れるトイレがあるので安心です。

 

ギャラリーカフェTakeno

こちらは、これまでに何度か通わせていただいているカフェです。

ひとりで行くときは、カウンター席でゆっくりとケーキセットを頂くのがとても好きです。ホットティーはポットで提供されます。

ケーキには生クリームが添えられていて、いつも愛らしいイラストがチョコレートで描かれています。

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…崩して食べるのがもったいなく感じる愛らしさです。

そして今回、なんと私の似顔絵を描いていただきました。

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かわいく描いていただいてありがとうございます…!

この日のケーキは「ガトー・マミー」、ホワイトチョコを使ったガトーショコラです。カタチがしっかりしているので、ナイフで切りながら頂くとスムーズに食べられました。やわらかな甘さが口内に広がります。生クリームやお皿のチョコレートソース等と絡めるとまた違った味わいに。

 

ランチもボリュームがあっておいしいですよ。

私が頂いたのは、キッシュセット。2種のキッシュにサラダとスープが付きます。

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定番のキッシュ(写真右側)は玉葱とベーコン。あっさりしてホクホクとした舌ざわりです。もう一つは季節のキッシュで、11月末のこの日はレンコン入り自家製ミートソース。こちらはしっかりした味わいでした。スープの野菜もとろとろに煮込まれていておいしかったです。

 

お店の入口には幅の広いスロープがあります。

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道路から敷地へあがるときのへこみで車椅子の大車輪が空回りすることがありますので、簡易型電動車椅子の場合は進入角度に少し注意が必要かもしれません。まっすぐ上がるより、少し斜めに入った方が上がりやすいと感じました。

店の入口の引き戸は幅が広く、車椅子で入るにも余裕があります。

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開けようとするといつもお店の方が出てきてくださいます。ありがたいことです。

店内にあるトイレは引き戸で、車椅子のままで入れるスペースがあります。便座横の壁に縦の手すりも設置されています。

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店内のギャラリースペースには小さめのグランドピアノがあって、ギャラリー展示のほかに貸し切りミニコンサートも開催されるとのこと。

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ギャラリーの展示などはホームページで確認できます。

ギャラリーカフェ Takeno(ホームページ)

 

 coto coto(コトコト)

ならまちセンターの1階にあるガラス張りのカフェです。ずっと気になっていて、先日やっとランチに訪れました。

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私が注文したのはプレートランチ。ワンプレートにスープ、食後のドリンク(珈琲か紅茶)が付きます。

奈良市郊外の「清澄の里」で育った伝統野菜がふんだんに使われています。メインディッシュは2種類から選べたので、私は「大和いもと長いもと野菜のおやき」にしました。

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表面は香ばしくサクッとしていて、噛むととろりとした芋の食感が!

おやきの上に乗せられている瓜は「ハヤトウリ」。奥の煮物は人参と冬瓜に奈良大豆のうすあげ。このうすあげは天理の山崎商店さんのものだそうです。

赤い大根サラダに使われているのは「味いちばん紫」「ベニクルリ」「紅芯大根」。三角のサモサにはカレー味のかぼちゃあん。プレート中央のピクルスはキュウリ、ハヤトウリと「ソーメンウリ」。

卵焼きには「レッドムーン」というジャガイモが入っています。

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卵焼きの上に乗せられたチップスは「宇宙いも」を揚げたものだそうで、テーブルには丸ごとの宇宙いもが置いてありました。ごつごつした表面はまるで隕石のようです。ムカゴの仲間で、英語名は「エアーポテト」。珍しい野菜をたくさん頂けて、おいしい上に楽しかったです。

ランチはコースとプレートの2種で、限定40食とのこと。

次はカフェやディナーでもぜひ行ってみたいと思いました。

 

店内にはギャラリースペースがあり、奈良の魅力や情報を発信しています。段差のあるスペースもありますが、フラットなスペースなら車椅子ひとりで問題なく入れます。

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coto coto[コトコト]|奈良県奈良市(ホームページ)

 

coto cotoのあるならまちセンターの2~4階には車椅子で入れるトイレがあります。

ただ、2階のトイレは市民文化ホールのホワイエ内なので、私が訪れた時は催事の準備中で入れませんでした。3・4階は奈良市立図書館や会議室のあるフロアなので、そちらへ行くのがスムーズかも知れません。

ならまちセンター(ホームページ)

 

ほかの町でも、ひとりで入れるカフェを見つけて散策を楽しみたいなと思います。