車椅子、ときどき杖。

外出には車椅子を使っています。ときどき杖も使います。普通に歩いていた頃には気づかなかったいろいろや、便利だと思う道具について。

パラアート展で、書道を楽しむ。

私は小学生から中学2年生まで書道教室に通っていました。

明治の終わり生まれのおじいちゃん先生は、「徴兵されたとき字がうまいからと通信係になって前線には行ってない」という話が口癖で、幼い私たちは「字がうまかったら戦争で生き残れる」と思ったものでした。ワープロやパソコンが登場し始めた時代でしたが、メールなど想像もしてなかったのでした。

閑話休題

そんな訳で、私は毛筆で字を書くのはかなり好きでしたし、達筆な書を鑑賞するのも以前から好きだったのです。

 

今年、奈良県では9月から11月までの3ヶ月間、「第32回国民文化祭・なら2017」「第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会」および「奈良県大芸術祭」が開催されていて、あちらこちらで芸術作品を鑑賞することができます。

その中のひとつ、天理で開催された「パラアート展」に行ってきました。

 

9月10日、JR天理駅の高架下にある天理駅前南団体待合所では、絵画や写真、工作など様々な作品が展示されていました。そこで話を聞くと、書道の展示が別の会場で行われているとのこと。

それは観に行かねばと、天理本通り商店街にある「ギャラリーおやさと」へ向かいました。

 

そこで開催されていた、「カルガモパラアート展」。

メインに展示されていたのは、障がい者の表現活動をサポートする団体「カルガモ倶楽部」に所属する書家・川上美也子さんの書道作品でした。

 

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「朱鷺」川上美也子

あまりの迫力に、しばらくこの前から動けなくなりました。

何と豪快で、そして美しいのでしょう。

 

川上さんは、脳性まひのため移動に電動車椅子を使用されています。右手が使えないため左手でお書きになるのですが、大きな書に臨むときは立ち上がり、力強く運筆なさるのです。

他にもたくさんの作品が展示されていました。

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「終」川上美也子

こちらは夢で「終」という字の形を見て、そのまま再現されたのだそうです。

 

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「命」川上美也子

 

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「生命」川上美也子

 

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「静心」川上美也子、「鮮」川上美也子

 

うまく写真に収められなかったのですが、「戦争」と題された4連作も迫力がありました。

川上さんは、書いた文字には命があると話しておられました。書いているときに「うまくないな」と思っても、書き上げた瞬間にその文字は手を離れ、川上さんの心に訴えかけてくるのだそうです。その瞬間から、自分のものではなくなるのだとのこと。だから、書き上げた後に手を加えたりはしないのだそうです。

どの作品も、観ているこちらに迫ってくる勢いを感じました。

 

かな文字の、やさしい作品も。

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「しあわせ」川上美也子

 

見る人それぞれの心に、思い浮かぶ景色や感情がありますね。

 

川上美也子さんのウェブサイトはこちらです。

かるがも母さんwebsite

 

 

 

会場では書道を楽しむワークショップも開催されていました。

サポートしていただきながら、私も参加させてもらいました。

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支えがないと立てないので、座ったまま書きました。

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「あした」の「た」の最後をしっかりとめて、筆を持ち上げた瞬間です。

 

こんな大きな紙(全紙)に、太い筆で書くのは初体験でした。太い筆は、どんな持ち方をしても応えてくれる頼もしさを感じました。とても良い紙・墨・筆を使わせていただいて運筆するのは本当に気持ちよくて、何と言うのでしょう、クセになりそうでした。

すばらしく貴重な体験をさせていただいたと思います。ありがとうございました。

 

天理での「パラアート展」は、11月25・26日にも開催されます。会場は「天理市文化センター」に移りますが、川上美也子さんの書道作品も多く展示されます。

私の書いた「あした」も展示してもらえることになりました。現在、表装していただいています。展示されるというのも初めてのことなので、今からものすごく緊張しています。

 

そのほか、今年の秋に奈良で楽しめる文化祭・芸術祭へのリンクはこちらから。

nara-kokushoubun.jp

 

nara-arts.com