手の力が少々弱くても、使いやすい文房具。
以前よりも手の力が弱くなっている、と感じることが増えました。
強く握る、しっかりと持つ、つまむ、手を開く。
そういった動きが、鈍くなっています。
今回は、そんな私でも使いやすいと感じた文房具についての話です。
まずは、修正テープ。
手前から「MONO PGX」、「MONO ergo」、「MONO AIR(モノエアー)」
「トンボ鉛筆」から発売されている修正テープ3種は、それぞれに使いやすい特徴があります。
2010年発売の「MONO PGX」は細長いデザインです。指に触れる面積が増え、安定して持つことができます。
私は「つまむ」動作が苦手になっているのですが、これは人差し指の根元と親指、中指の3点で支えればしっかりと持たなくてもテープが引けるので、あまり力が要りません。
2013年発売の「MONO ergo」は人間工学(エルゴノミクス)に基づく「だれでも最適な持ち方と角度で使用できる」デザインです。手の中に握りこむようにして持てる平たい形で、とても安定します。
商品ページを見ると、本来は親指と人差し指で挟むようにして持つみたいですね。
私は人差し指の力がちょっと弱いので、写真のように人差し指を浮かせて親指と中指で本体を挟んでいます。そうすることで、包み込んで安定させられました。
今年6月に発売された「MONO AIR(モノエアー)」は、この中では最もコンパクトです。ホームページによると、「テープ走行をコントロールする機構を内蔵」することで、引く力を同社従来品よりも「使い始め(テープ10m時)で61%軽減、残量2m時で58%軽減」しています。
カタチは一般的な商品と同じなのですが、驚くほどに軽く引けるので、しっかり握る必要がありません。いやほんと、びっくりしますよこの軽さ。お店で買ったとき見本が置いてあったんですが、試してみた瞬間に「なんじゃこりゃ!」って思いました。あと、吸い付くようにテープが引ける感触で、失敗しなさそうです。
続いて、リングファイル。
通常、リングファイルは金具を開くのにかなり力を使いますが、今年2月に発売された「リヒトラブ」の「noie-style リングファイル〈ツイストリング〉」は、「金具が片手で軽~く開く」が謳い文句です。
リングを軽くひねるだけで開くほか、付属のオープナーを少しスライドさせることでも開けられます。これが本当に楽なのです!
閉じるときも軽くリングをつまむだけで閉じられます。
参考:製品情報-noie-style リングファイル<ツイストリング>|リヒトラブ
最後に、携帯はさみ。
ペンケースやポーチ、かばんのポケットに入れて持ち運べるコンパクトな携帯はさみ。いろいろと発売されていますが、私がとても使いやすいと思ったのは、昨年11月に発売された「プラス」の「フィットカットカーブ ツイッギー」です。
シリーズ累計1000万本以上売れたというはさみ、「フィットカットカーブ」。
その「最適な刃の開き角度を常に一定に保つ」という安定した切れ味をそのままに、スリムなスティック状になっています。
私が気に入っているところは、刃先を収納したキャップを取ってハンドルのロックを外し、ものを切り、ロックをかけてキャップをはめるまで、すべて片手で操作できるところです。つまり、切りたいものを左手に持ったまま、かばんからはさみを出して切ってかばんに戻すことができる訳です。すばらしい。
刃渡りが長いと切りやすいですが、その分ハンドルの開きが大きくなりがちです。ところが、これは親指側のハンドルが短いため指を開く幅が小さくて済むので、開く力が弱くても充分に扱えるのです。
私はこれをかばんに常備しています。
参考:プラス株式会社ステーショナリーカンパニー / PLUS Stationery / フィットカットカーブ 携帯はさみ ツイッギー
進化した文房具は、手の力が少々弱くてもとても便利に使えました。
ありがたいことですね。
新大宮で、フレンチスフレオムレツとパンケーキ。
近鉄新大宮駅からすぐ、線路沿いにある一軒家カフェ「ラ・ポーズの森 カフェ ラ・ポーズ」。
「パンケーキがおいしい」とネットで見て、友人と一緒に行ってみることにしました。
お店に電話して聞いてみると、ベビーカーや車椅子でも入りやすい店内とのこと。安心して向かいました。
メニューを見ていると、「フレンチスフレオムレツ」が目に飛び込んできました。大阪の正統派フレンチレストラン「ル・ヴァンサンク」で約40年オーナーシェフを務めた原氏のプロデュースだそうで、数量限定メニューです。
せっかくなので私はこれを、友人は生ハムのパンケーキを注文しました。ランチタイムだったので、ドリンクが付いてきました。
フレンチスフレオムレツは、玉子2つ分とは思えないボリュームです。卵黄と卵白を分けてから撹拌しているそうで、ふわふわの食感は初めて体験するものでした。中にはとろりとしたチーズ。トマトソースは自家製だそうで、しっかりとトマトの味わいを感じます。
添えられたサラダはドレッシングが控えめで、グレープフルーツが味のアクセントになっていて、おいしかったです。
後日、別の友人を誘ってカフェタイムに行ってきました。私は苺のケーキを、友人はフルーツパンケーキを注文。パンケーキをおすそ分けしてもらったのですが、この生地がまあ口の中でふわりと溶けてしまうのです。
苺のソースがしみ込んだ生地もおいしかったのですが、この食感はぜひプレーンで味わってみたいと思いました。次はプレーンパンケーキを頼みます。
ケーキもおいしかったですよ。
新大宮駅北口から道路を東へ渡ったところにお店はあります。
最初に見える敷地への入口は段差があって上がれませんが、ここを通り過ぎて東側の玄関へ向かいます。
店内まで段差はありません。入口は自動ドアなので、ひとりでも問題なく入れます。椅子は店員さんにお願いしてよけていただきました。
カフェは木々に囲まれていて、落ち着く店内には音楽が流れ、すぐ近くを線路が通っているなんてみじんも感じさせません。
店内にはベビーシートのある多目的トイレもあり、車椅子でも入れます。ただスペース的に車椅子を旋回させることが難しいので、出入りには注意が必要です。
また行きたいです。
車椅子で、ビリヤード。
最近になって知ったことなんですが。
ビリヤードって、車椅子でもプレイできるんですってね。
学生時代、先輩に連れられてビリヤードで遊んでいました。
ちょっとオトナになった気分で、全く上達しない下手なプレイでしたけれど、とても楽しかったことを憶えています。
あれから20年。車椅子でも遊べるんなら久し振りにやってみたいなと思い、前から目をつけていたラウンドワンへ友人と一緒に行ってきました。
近鉄新大宮駅から大宮通を西へ。市役所の手前に、そのラウンドワンはあります。ボーリングがメインですが、アーケードゲームのほかに、ビリヤード台もあります。
ラウンドワンは南側歩道にありますが、大宮通の歩道は北側の方が広くて通行しやすいので、ギリギリまで北側を進みました。
フロントのある3階に、ビリヤード台が置いてあります。台の周りはスペースがゆったりとってあるので、車椅子でも問題なくプレイできます。
さて、私も友人も20年振りに遊ぶとあって、思い出しながらのプレイとなりました。とりあえず確実に記憶にあるナインボールをしてみたのですが、結果的にですね、我々は1時間かけて1ゲームをようやく終えるという体たらく。
手球をまっすぐ撞くのって、こんなに難しかったですかね…?
何度か撞いてみて解ったのですが、座っていると肘の位置が低いので、立ってかがんだ時とはキューさばきが違ってくるんですね。だから、台と並行にキューを突き出すのがとても難しい。ぶれてしまうのです。
今回は最後までうまくさばくことができなかったので、これは今後の課題だなと思いました。
ゲームとしては、友人の勝利。私が入れた的玉はひとつだけでした。でも、その1回がものすごく気持ちよかったんですよね。学生時代も大してうまくはなかったので勝てたことなんてないんですが、当時のことを思い出しました。
座ったままでも、メカニカルブリッジ(手球に手が届かないときに使う長い柄のついた器具)を使えば大抵は何とかなります。
あ、何とかなるとは言いましたが、入るとは言ってませんよ。
20年前に比べると筋力が低下しているので、キューがとても重く感じました。手が震えてしまったり、撞くのに良い態勢を取るための位置に車椅子を思ったようにつけられなかったり、いろいろと練習すべきところがあるので、また行きたいと思います。
たぶん1時間が限度なので(この後かなりの筋肉痛になりました、あまりよくないことなので反省しています)、ちょっとずつ練習しようと思います。
奈良散策のお供に、奈良おでかけ安心サポートマップ。
昨年2月から、産経新聞奈良版で「車いすでみるなら」というコラムを月2回程の頻度で連載しています。主に奈良のあちこちへ車椅子で出向いて楽しめたことを書いています。
出かける時にとても便利なのが、「奈良県観光バリアフリーマップ」でした。多目的トイレの場所、道路の傾斜や歩道の有無、観光施設の段差やスロープの場所、ホテルのバリアフリー情報などが記されています。
昨年春に、改訂版「奈良おでかけ安心サポートマップ」が発行されました。私がそれを手にしたのはつい先日なのですが、随分と情報量が増え、ページも多くなっていました。
観光案内所などで貰えるほか、奈良県ホームページでデジタルブックとして公開されています。
「奈良おでかけ安心サポートマップ」(中央)と、旧版の「奈良県観光バリアフリーマップ」(右)。奈良町の散策には、「奈良町おさんぽガイドMAP2016」(左)を併用して活用しています。
先日、機会を頂いて、どのようにしてこのマップが作られたのか、奈良県観光局観光プロモーション課プロモーション推進係の松田さんと髙橋さんにお話を伺うことができました。
初版の「奈良県観光バリアフリーマップ」は、障害者を臨時的に雇用して現地調査をし、約1年をかけて作成したそうです。
改訂版「奈良おでかけ安心サポートマップ」の作成には旧版のデータをもとに、高齢者や子育て世代、障害者にヒアリングをして要望を聞き、観光施設約450箇所からアンケート回答を得て、車椅子や疑似装具の体験で研修を受けた委託業者が調査ポイント約2500箇所を現地調査。掲載する地図の範囲を、しらみつぶしに調査されたそうです。すばらしい。
改訂版に追加された情報は、施設のFAX番号とQRコード(施設のホームページURLなど)。聴覚障害者にとって非常に有用とのことでした。また、施設の写真も増えていて、スロープやトイレの様子がよく判ります。
お話を伺って印象に残ったのは、「ヒアリングの中で視覚障害者が最も不自由度合いが高いと感じた」という言葉でした。まず、バリアフリー情報をどう伝えるかという課題もあります。マップには旧版からSPコードが掲載されていますが、改訂版にも継続されています。
私は車椅子を使用するようになってから、外出するのに「トイレ」と「段差」と「エレベーター」をとても気にするようになりました。ひとりで電動車椅子で出かけるようになってからは特にです。
出向く先の情報を事前に知ることができて、不安を解消できたら、きっと外出が楽しみになると思います。ともすれば出不精になりがちですが、このマップをご覧になった多くの方に、奈良を楽しんでもらいたいなと思いました。
今回お話を伺ったのはもちろん奈良県庁でした。
奈良県庁前の通路は、道路への段差を完全になくす勢いでスロープ状になっています。車椅子で通行していてもとても滑らかでストレスがなく、感動しました。私は電動ですが、この傾斜角度であれば手動でもかなり楽なのではないでしょうか。
奈良県庁で、奈良一望と生パスタ。
奈良県庁の屋上へ、初めて上がってきました。
遮るものなく目の前にどどんと現れる若草山。そして大仏殿。
ここで3時間くらい、ぼーっと眺めていられる自信があります。
参考:県庁舎屋上広場の開放日程について/奈良県公式ホームページ
週末や祝日も解放されていることが多いので、おすすめです。日程は上記リンク先からご確認ください。
こちらは西向き。生駒山がなだらかに見えます。左に見えるのは近鉄奈良駅ビル。ここから平城宮跡の大極殿が見えるとのことで、双眼鏡が置いてあります。
ベンチもあって、のんびり過ごすことができます。
屋上の中央にある県庁のシンボル。若草山を眺める位置にあるベンチには屋根があります。
ちなみに、ベンチは奈良県産のヒノキで作られています。
奈良公園に在って、鹿のふんがない貴重な芝生ですが、鹿の親子がいました(置物)。
屋上を堪能した帰りに、東棟1階のカフェ「クルール」で食事をしました。東棟にはコンビニもあり、いずれかで購入したものをテーブル席でいただくことができます。
頼んだのはカルボナーラ。4種のチーズと黒胡椒、ベーコンの香りが豊かで、半熟玉子の黄身がとろりパスタに絡みます。そして、もちもちのパスタ!
なんと、生パスタを使用しているそうなのです。
カルボナーラは780円。後日、茄子のボロネーゼ(680円)を注文しましたが、そちらもしっかりとした味わいでおいしかったです。100円追加でドリンクセットにできます。せんとくんマグカップで出してもらえますよ。
本来はセルフサービス式なのですが、店員さんが席まで運んでくださいました。ありがたいことです。
車椅子で席につきやすいテーブルでした。
今度行くときは、カフェでランチを食べて、コンビニで飲み物を買って、屋上で若草山を眺めながらのんびりしたいなと思いました。