車椅子、ときどき杖。

外出には車椅子を使っています。ときどき杖も使います。車椅子で訪れたスポットや、普通に歩いていた頃には気づかなかったいろいろや、便利だと思う道具について。

優雅なティータイムを、奈良ホテルで。

憧れの奈良ホテルへ、友人と一緒に行ってきました。

近鉄奈良駅からホテルまでは、このタクシーを利用しました。

奈良ホテルの周辺は歩道が狭く、歩行者とすれ違えない箇所もあります。また、ホテルの敷地内を建物へ向かう坂道は車通りが多いので、車に乗って移動した方が安全だと感じました。

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車椅子でホテルに入るには、新館のスロープを利用します。

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新館で多目的トイレを利用して、本館へ続く赤い絨毯の廊下を進みました。

今回の目的は、ティーラウンジ。奈良ホテルの重厚感あふれる雰囲気を、比較的お手頃に楽しめます。

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ロビー「桜の間」を通り抜けると、ティーラウンジがあります。ドアを広く開けて頂いて店内に入りました。少しスロープ状になっているところがありますが、店内はバリアフリーです。

ティーラウンジの大きな窓からは荒池越しに若草山が望めます。

私たちが訪れた時は窓際の席が埋まっていたので、バーカウンターのある内部屋へ案内していただきました。

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テーブル席はやや低めで、椅子に肘掛けもあるので、車椅子からいすに移るのもいいかもですね。私は車椅子のままで席に着きましたが、ちょっと低いかなという程度で、問題なく食事できました。

屋内の窓越しに、窓際の席を眺められます。

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私たちが注文したのは、ミックスサンドウィッチとケーキ。友人はコーヒーを、私は特殊なポットで頂ける紅茶「ゴールデンダージリンアールグレイ」を頼みました。いずれもセットにできます(この紅茶は少しセット価格が高くなります)。

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この少々変わった形のティーポットは、ドイツの老舗紅茶ブランド「ロンネフェルト社」製の「スリーピングポット」です。

倒した状態で蒸らします。

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オイル時計で時間を計って、蒸らし終えたら起こします。

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ポットの中には茶葉を入れる仕切りが。

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ゴールデンダージリンアールグレイは穏やかな香りで、とてもすっきりとした味わいでした。時間をおいてカップに注いだ2杯目も渋みがなく、最後までおいしく頂けました。

そしてこの、ミックスサンドウィッチ。

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野菜サンドのトマトは湯剥きしてあって、上品な口当たりです。特製ローストビーフは落ち着いた優しい味で、するりと食べてしまえます。

特筆すべきは厚みのあるハムサンド。めちゃくちゃがっつりとした旨さなのです。いやほんと、このハムサンドを食したあと、「今まで食べてきたハムサンドは何だったのか」って呆然となりますよ。

サンドウィッチの量は、友人と私の女性2人で頂いて充分なボリュームでした。おしゃべりしつつゆっくり味わいました。

ケーキはプレートに載せて運ばれてくる中から選びます。今回は「ラズベリーとマンゴーのケーキ」にしてみました。

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スポンジに赤米が入っていて、程よい酸味と甘味に加えてプチプチとした食感が楽しめます。こちらもやさしい味わいでした。

 

ちょっぴり、いやかなり贅沢なティータイムでしたが、たまにはこういう時間もいいなと思いました。普段よりオシャレして、浮かれてみるのもいいですよね。

またぜひ訪れたいと思います。

 

このティーラウンジは、18時からバー「ザ・バー」になります。そちらもまた雰囲気が違ってすてきだったので、別の記事でご紹介します。

 

参考:ティーラウンジ | 奈良ホテル | 公式サイト Nara Hotel Official Site

   奈良ホテル | 公式サイト Nara Hotel Official Site

車椅子をそのまま積み込める、タクシー。

以前、奈良の吉野山へ行ったとき、車椅子のままで乗車できるタクシーを利用しました。

私の使用している「簡易型電動車椅子」は、

・重量が30kg程ある

・あまり折り畳めない

・大車輪に電動の駆動部分が搭載されていて繊細なので、横倒しは避けたい

という理由により、セダンタイプのタクシーのトランクに積み込むことができません。

吉野山では、車椅子に乗ったまま乗車できるタクシーに出会い、無事に山道を登ることができました。

 

さて、私が住む奈良市内でも、車椅子をそのまま積み込める大型の車両を運行しているタクシー会社があることを知りました。

「奈良中央交通」さんです。

 

初めてこの車両を知ったのは、バスでJR奈良駅を通りかかったときにロータリーで停車しているのを見かけたときでした。

特徴的な黄色い車体。東京だと見かけることが増えてきた「ユニバーサルタクシー」だ! 奈良にもあるんだ! と嬉しくなって、車体に書かれた会社名を憶えて帰りました。

 

奈良中央交通さんにお電話で問い合わせてみたところ、下記の返答をいただきました。

・大きな荷物を積み込める車両として1台運行中

・スロープや車椅子を固定する設備はないので、車椅子に乗ったままの乗車は不可

・座席に移って、車椅子を積み込むのは可能

・タクシー運賃のみで乗車できる

…全く問題ないです!

車椅子を立てたまま積み込んでもらえて、運賃のみで利用できるのはとてもありがたい!

 

そして後日。

このタクシーを利用して、奈良ホテルへ行ってきました。

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30kgの車椅子を運転手さんひとりで積み降ろしするのは難しいので、誰かと一緒に乗るか、乗るときと降りるときに手伝ってもらえる環境があることが必要です。

奈良ホテルへは友人と一緒に行ったので、積み込むときは運転手さんと友人に載せてもらい、ホテルでは従業員さんが手伝ってくださいました。

また、フットレストを装着したままでも積み込めましたが、ちょっとギリギリだったので、載せる前に外しておいた方が安心だと思います。

 

奈良中央交通さんのこのタクシーのすばらしいところは、夜でも迎車可能なことです。

一般のタクシーなら普通のことかも知れませんが、私が東京旅行で夜間の移動にユニバーサルタクシーを利用したくて探していたとき、「夜は運行していません」と断られた会社が複数ありました。基本的に日中の利用客が多いとのことでした。

担当の運転手さんがお1人とのことで、勤務状態によって変わることもあるかも知れませんが、午前10時~翌午前2時まで受付可能とのこと。

うっかり終電を逃しても、大丈夫ってことですよ!

これってものすごい安心感です。だって簡易型電動車椅子になってからは、絶対に電車に乗らないと帰れなかったんですから。…いや、決して夜遊びを推奨している訳ではありません、安心感の問題ですよあくまでも。

 

車両が1台なので、迎車は早めの予約がおすすめです。

 

参考:株式会社奈良中央交通(iタウンページ)

 

日本最大級の、ふくろうカフェ。

以前から前を通っていて気になっていた「ふくろうカフェならまち」に行ってきました。近鉄奈良駅から徒歩5分、もちいどのセンター街にあります。

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ここは、ふくろうカフェとしては日本最大級の屋内スペース(50坪)があり、カフェというよりはミニ動物園といった雰囲気です。

入口のドアは友人に開けてもらいましたが、段差なくフラットに入れます。

1時間1000円の入園料(本来は1300円だそうですが、ホームページによると「当分の間はオープン記念価格」でお安くなっています)に含まれるドリンク1本は、屋内の自動販売機で購入します。

入園料を支払い、スタッフさんに説明を聞いて、視線を転じると。

ずらり居並ぶふくろうたちが、私たちを迎えてくれました。

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壁に飾られているのは、ふくろうのアート作品です。

 

ここにいるふくろうたちは全て人工孵化で、まだ若い子が多いとのこと。

ふれあいが大丈夫なふくろうは、ミトンをはめた手にとまらせてもらえます。

頭や背中にそっと触れると、種類によって羽根の感触ややわらかさが違うのだと解りました(さわれる子とそうでない子がいます。スタッフさんに聞いたり、説明書きをよく確認しましょう)。

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奥の「フライトルーム」では、土日祝日に鷹(ハリスホーク)の嵐ちゃんのフライト体験ができます。私たちが訪れたのは土曜日の午前中だったので、体験させてもらいました。

鷹が車いすの車輪を嫌がるかも知れないと事前に聞いていたので、もし嫌がりそうならやめておくつもりでゆっくり部屋に入ると、スタッフさんの腕にとまり落ち着いた様子で迎えてくれました。

これなら大丈夫でしょう、とスタッフさんにお墨付きをいただき、鷹に背を向けてグローブをはめ、園長さん(店長ではなく園長なのです)に腕を支えてもらって肩の位置で伸ばします。

車椅子だと腕の位置が低いので、鷹にとってはとまりにくい様子でした。スタッフさんの腕から飛び立っても、私の腕には降りずに部屋の中を旋回します。

スタッフさんが私に60cmほどの距離まで近づくと、ふわりと飛び移ってくれました。

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ずっしり重いのですね!

支えてもらっていなければ、私の力では耐えられなかったと思います。

園長さん、ありがとうございました。

革のグローブを掴む爪は鋭いですが、私の方を見る瞳がくりくりしていて、なんてかわいいんだろうかと思いました。

雛から育てたスタッフさんにとても懐いていて、園長さん曰く「私もさわれないんですよ、さわれるのは彼だけなんです」とのこと。スタッフさんの腕に戻りその顔を見つめる嵐ちゃんはとても愛らしかったです。

 

平日のフライトルームでは、ワシミミズクの放飼いが公開されることも。いずれも鳥たちの体調により中止することがあります。詳細はホームページやブログでご確認ください。

 

ふくろうカフェならまち|餅飯殿町 癒し 奈良町 フライト体験 鷹(公式ホームページ)

ブログ|ふくろうカフェならまち(公式ブログ)

YouTubeでは、水浴びするふくろうや飛翔するふくろう・鷹の映像が見られます。

ならまちふくろうカフェ - YouTube

薬膳鍋で、ぽかぽかに。【2018.03.11 追記あり】

【2018.03.11 追記】

「薬Zen拓」さんは、もちいどのセンター街の北側から入ってすぐ右手に移転されました。店舗が広くなり、車椅子でも入りやすそうなので、近いうちに尋ねたいところです。

薬Zen拓(公式ホームページ)

食べログは下記リンク先が最新です

 

(追記ここまで)

 

 

近鉄奈良駅から徒歩6分。

もちいどのセンター街の「夢CUBE」にある、「薬Zen拓」へランチに行ってきました。

日本料理☆薬zen拓☆(公式ホームページ)

食べログはこちら

 

この日はとても寒かったので、友人と2人で「薬箱の美肌鍋ランチ」を注文しました。

まず運ばれてきたのが、おばんざい小鉢。

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だしまき玉子と菜の花のおひたしがとてもやさしい味で、頬がゆるみます。

対して、切り干し大根のごま和え。ゴマ油の香ばしさが口内に広がって、しっかりした味付けです。おいしい!

このあとかす汁とご飯が運ばれてきて、いよいよ美肌鍋。

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小引き出しの薬箱に入れられた、小鉢の生薬6種をすべて鍋に投入します。大きな引き出しの唐辛子はお好みで。野菜は奈良県産で、なんとおかわり自由。といっても、私たちはお腹いっぱいでおかわりできませんでしたけれども。

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くつくつ煮込んで、やわらかくなった野菜をいただきます。

ポン酢なども用意されてはいましたが、この薬膳スープだけで充分に滋養たっぷりの味わいです。しみじみと、野菜がおいしい。菊菜が、白ねぎが、しいたけがおいしい!

煮込まれたクコの実や松の実が、とてもいいアクセントになっています。

そして、ぷりっぷりの海老団子! 海老そのものを食べるよりもより一層ぷりっとしていて、素材の引き立て方に感動しました。

私たちは白ご飯を選びましたが、他にも選択できます。

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メニューの写真が光ってしまってごめんなさい。

 

ランチメニューはほかにも、

・鶏の竜田揚げ食べ比べランチ(1000円)

・低糖質薬膳ランチ(1000円)

・低糖質唐辛子スープランチ(1000円)

・低糖質広島風お好み焼き(1000円)

などなど、気になるメニューがたくさんありました。(いずれも税込み価格。メニューは変更になる可能性があります)

またぜひ行きたいお店です。

 

夢CUBEはこぢんまりしたお店が並んでいて、通路も少し狭めなので、車椅子での通行には注意が必要です。

お店の入口に段差が少しあるので、友人に押してもらって入店しました(出る時は自力で下りられます)。入ってすぐのテーブルをお店の方が奥にずらして、車椅子で入れるようにしてくださいました。

車椅子のままつけるテーブルは限られているので、事前に車椅子であることを伝えたうえで予約をお勧めします。

 

 

片手で使える、文房具。

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体幹の筋力が弱い私は座っているとき左手で身体を支えるので、右手だけで使える道具というのはとても便利です。

ふだん何気なく両手で使っている文房具の中にも、片手で使えるものがいくつかあります。

 

ふせんディスペンサー

ふせんを使うとき、片手で束を持ってもう一方の手で1枚めくりますよね。

なんと片手でサッと使える商品が、3Mから発売されています。

ポストイット強粘着商品「ポップアップノート ディスペンサー付き」は、ティッシュケースのようにふせんを取り出せる商品です。

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ディスペンサーはどっしりと重みがあって、1枚取り出すときもびくともしません。

机の上にこの大きさのものを置くスペースがない(私もそうです)人向けに、デスクなどに貼り付ける縦型タイプもあります。すばらしい。私はこちらを机の引き出しに付けています。

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この位置に貼ると付属のペン差しは使えないですが、定位置にふせんがあることで「メモしたいときにメモ用紙がない」という事態がなくなってとても安心です。

このふせんは強粘着なので、多少凹凸のあるクロスの壁にもしっかり付いてくれます。

 

3M|強粘着製品 ポップアップノート|ポスト・イット® 製品|文具・オフィス用製品|製品とサービス(公式ホームページ)

 

ノック式油性マーカー・蛍光ペン

一般的に油性マーカーや蛍光ペンにはキャップがついていますが、ノック式の商品も発売されています。片手でサッと使えるというのはかなり便利ですよ。

私が購入したのは、ぺんてるの「ノック式ハンディ Pentel PEN」。

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指でなくても、ノック部分を机などに押し付けてペン先が出せるのもいいですね。

私が購入したときメーカーの方がいらしたのですが、「屋外でも太ももに押し付けたり、壁に当ててもペン先が出せます!」と熱くおススメされました。

ぺんてるからはノック式蛍光ペン「ノック式ハンディラインS」も発売されています。

 

ノック式ハンディ Pentel PEN/カートリッジ|商品紹介|ぺんてる株式会社

ノック式ハンディラインS/セット/カートリッジ|商品紹介|ぺんてる株式会社

(いずれもメーカー公式ホームページ)