通いたくなる快適空間、天理駅前広場コフフン。
今年の4月に天理駅前広場がリニューアルし、「天理駅前広場コフフン」としてオープンしました。
何だかかわいらしい名前と、テレビで見かけたカフェの雰囲気がよさそうだと思い、行ってきました。最初はひとりで通院帰りに、二度目は友人とランチをしに。
緑と白のコントラストがきれい。
手前の低い円墳は「テーブルコフン」、頂には大きな丸テーブルがあるそうです。その左奥が「すりばちコフン」、中はすり鉢状にくぼんでいて板が張られ、子供たちの遊具になっています。私は階段を上れませんが、自由に座れるこの階段の雰囲気はいいなあと思いました。
カフェは、右奥の建物にあります。
「インフォ&ラウンジコフン」。この建物には、観光案内所・カフェ「Parkside Kitchen」・サイクルショップ「Bicycle Color」(米国スポーツバイクメーカーTREK社の自転車の販売・修理・レンタル)が入っています。
正面入口は広場から少し階段を下りた先にあるので、車椅子で建物に入るためには裏側へ回ります。
円周にぐるり緩やかな傾斜のスロープを下りて店内に入ると、サイクルショップとカフェのパンコーナーが。
ちなみにここでおみやげに購入した「天理絹食パン」も、とてもやわらかくておいしかったです。(写真を撮る前に食べてしまったので看板でご紹介)
レジの横に、カフェスペースへ向かうスロープがあります。
上の写真はスロープを下りてから振り返った様子。
客席には天井から明るい自然光が降り注ぎ、とても開放的な広々とした空間となっています。
いろいろなタイプの席があるのも楽しいですね。上の写真の奥にはキッズコーナーがあり、この写真を撮る直前までママさんたちがソファー席でくつろぎながら子供たちを遊ばせていました。
一度目にひとりで来訪したときは、パンコーナーで色とりどりの野菜がのったパンとカフェラテを注文&購入し、店員さんにトレイを席まで運んでいただきました。
パンは野菜の味がしっかりと感じられておいしかった! ただ野菜をぽろぽろこぼしてしまって、お皿から拾いながら食べました(笑)
二度目の来訪では、友人とランチビュッフェをいただきました。
ランチをいただくときの手順は下記の通り。
1.座席を確保する
2.ビュッフェカウンターへ行き、トレイを取り「メインの料理」を選び注文する
3.ビュッフェの総菜を皿に取りながら進む
4.カウンター奥で会計する
5.座席に戻る
入ってきたときに使ったスロープの左隣に、ビュッフェカウンターがあります。
「メインの料理」は、肉料理などのほかに「うどん」なども。また、「ご飯」はセットになっていないので、普通の白ご飯が欲しい場合も上記手順の2で注文します。
ビュッフェの総菜が並ぶ前には奥行浅めのカウンターがあるので、車椅子でもそこにトレイを置いてスライドさせながら進むことができます。お店のスタッフさんがついてくださるので、手が届かない総菜は取ってもらいました。また、会計後も席まで運んでもらえました。
この日私は「メインの料理」で鶏肉のチーズオーブン焼きとご飯を注文しました。総菜ビュッフェではサラダ(しゃきしゃきでおいしい)、新たまねぎの天ぷら(めちゃくちゃ甘い)、マカロニサラダ、なすのさっぱり煮、玉子焼きを少しずつ。
ここでひとつ。いいですか、メインで注文する肉料理はかなりのボリュームです。
実はこのメイン料理、ビュッフェで総菜を取ったあとレジに着いたときに提供されるんですよね。びっくりしましたよねこのボリューム。総菜を控えめに取っていて良かったと思いました。いやほら…どれもおいしそうだからついいろいろ食べたくなるんですよね…。
ビュッフェにはパンもあったので、次にランチで訪れる時の楽しみにしたいと思います。
ちなみにお水とお茶(水出しの緑茶で、とてもおいしい)はセルフサービスなので友人にお願いしました。
「カフェ&ラウンジコフン」の中央には、観光案内所のカウンターがあります。カフェスペースの中です。
右側の壁にずらりとパンフレットや冊子が並んでいるので、手に取ってお茶しながらどこへ行こうか計画するのもいいですね。
建物の中に多目的トイレもあります。外の広場にも設置されています。
屋外ステージ「ステージコフン」は、200人以上の観客を収容できるそうです。
使われていないときは自由に入ることができますが、客席側からは車椅子では降りられなさそうでした。ちなみにステージの屋根の上は、子供たちが遊べる巨大トランポリンが設置された「ふわふわコフン」です。
ステージコフンの周囲は芝生敷きの「多目的広場」となっていて、子供向け・大人向けの遊具がいろいろ設置されています。
子供向けのボルダリング。他にすべり台やブランコも。
ストレッチができるベンチ。こちらは大人向けでしょうね。
ぶら下がってストレッチできたりもします。
歩行用の平行棒。これを使えば私も歩けます。ふわふわの芝生を踏みしめるのはとても気持ち良かったですよ。
足元の丸いのは何かというと、説明書きがありました。
なるほど。チャレンジしてみてください。
芝生の上に寝転ぶ人たちもちらほら見かけました。気持ちいいでしょうね、次は私もぜひ寝転がりたいです。奈良公園と違って、鹿のフンを気にしなくていいですものね!
JR天理駅の高架下も、いろいろとリニューアルされています。
まずは、「南団体待合所」。
素敵すぎませんかこの空間…!
上の写真左奥に見えるのが、知育玩具などが完備されたキッズスペース。雨の日もお子さんと遊べます。
学校帰りにこんなスペースがあったら、絶対に友人たちと喋りまくってたんじゃないかと思います。
団体利用がない日のみ、自由に利用できます。ここでは飲食も可能ですが、ゴミは必ず自分で持ち帰りましょう。
めちゃくちゃオシャレ空間です。この奥はトイレで、オストメイト設備のある多目的トイレもあります。
以前は観光案内所があったというスペースに、「コフフンショップ」があります。
店内では、天理をはじめとした奈良県のいろいろな逸品が販売されています。
その日に入荷するという野菜は、何が入るか当日のお楽しみとのこと。私がひとりで訪れた5月の始めには、新たまねぎが販売されていました。
さっと炒めたり、みそ汁に入れたらとても甘くておいしかったです。
野菜は入荷のない日もあるそうです。
写真には撮れませんでしたが、高架下の一番奥には昔ながらの雰囲気を残す「天理ステーションストア」があります。地元に住む友人の勧めでコロッケをおみやげに購入したら、ものすごくおいしかったです…! ちなみにこのステーションストア内には授乳室やおむつ交換室、キッズスペースもあります。
広場の雰囲気も、カフェも、南団体待合所も、とにかくすべてがとてもすてきで、リラックスできる空間だと思いました。もし近所に住んでいたら、毎日通いたいくらいです。
「未来」を感じる、電動車椅子。
4月にインテックス大阪で開催された「バリアフリー2017」展へ行ってきました。
参考:バリアフリー2017/慢性期医療展2017/看護未来展2017
そして、そこで、噂の電動車椅子に試乗してきました!
まずは、2015年のグッドデザイン大賞を受賞した「WHILL」。
試乗したのは「WHILL Model A」です。
まずは公式サイトで動画をご覧ください。スタイリッシュなこの外見!
私は初めてこのWHILLの動画をインターネットで見たとき、「SF映画に出てくる乗り物っぽい!」と驚きました。このフォルム、未来感がありませんか?
でも、同時に、ちょっと思ってしまったんです。
操作性はどうなんだろうか、って。
凄くシンプルな造りに見えるのですが、かっこいいだけでは困りますものね。
そして今回、初めて試乗してみて。
新たな驚きがありました。
マウス型の操作レバー、めちゃめちゃ使いやすい!
私は今、簡易型電動車椅子を使用しています。操作はジョイスティック。スティックの根元を軽く握るように持ち、前に倒して前進します。
WHILLのマウス型だと、掌をのせて軽く操作できるのです。これがとても直感的で、扱いやすいと感じました(長時間操作した訳ではないので、疲労感については未知数です)。
掌でも、指先や指の根元でも、操作の細やかさによって使う場所を変えられそうかも、という印象もあります。それはきっと、長時間の操作においてかなり負担軽減になる気がします。
電動車椅子をふだん使わない人にはイメージしにくいかも知れませんが、前進するためには操作レバーを常に「前進」の位置でキープする必要があります。
ジョイスティックなら、前へ倒し続けるということです。
普通に筋力のある人には笑われてしまいそうですが、「手の筋力が弱い」私は、この「常にレバーを同じ方向にキープする」ただそれだけのことでも疲労します。
マウス型であれば、キープする「手の形」をいろいろと調整できそうだなと感じたので、負担軽減につながりそうな気がしました。
左手側には、速度調節や起動スイッチが一体となったレバーがあります。
一般的な電動車椅子の操作スイッチ関連は利き手側に集約してあることが多いですが、このように分けてあることでシンプルな外見の要因となっているのでしょう。
ごちゃごちゃしませんものね。
ただ、私の場合は左手指の動きが右手より弱いので、起動スイッチを入れるのにちょっと手間取りました。また、移動中に最高速度を変えたいときも、恐らく少し時間がかかるように思います(速度はマウス型レバーの操作で調整するでしょうから、普段は使わないかも知れませんが)。
座面は前へスライドさせることができ、ベッド等への移乗や、テーブルで食事するときに身体を前へ寄せることが可能です。
後ろ側、スライドさせた場合と通常時でこれだけの差が見えます。
WHILL Model Aは四輪駆動です。
なんと7.5cmの段差を難なくクリアします。これはかなりすごいことです、おそらく歩道へ上がる段差のほとんどはクリアできると思います。もちろん、上り口をスロープにしていない古い歩道は無理ですが、スロープになっていても簡易型電動車椅子では上がれない(道路との境目が微妙に高くなっている)ことはよくあるのです。それらはきっとこのWHILL Model Aの前ではまったく問題にならないでしょう。
そして砂利敷きの上もほとんど速度を落とさずに進めました。こちらもすごいことなんですよ、簡易型電動車椅子だと(車輪が細いこともありますが)馬力が足りないので、砂利に沈んで砂利をかんでものすごく速度が落ち、バッテリーを激しく消耗します。
前輪はキャスターではなく固定されていて、動画で見ていたときは「どうやって曲がるの?」と不思議だったのですが、独自開発の「全方位タイヤ」を採用していました。24個の小さなタイヤで構成されていて、方向を変える時は地面に設置した部分が横回転するのです。すごい。キャスターの場合は前輪の向きを想定して旋回しますが(左旋回した直後に右旋回しようとするとキャスターの向きが逆になるので、やや前後の移動を加えたりします)、これだととてもスムーズに動かせます。
この4月に発売された「WHILL Model C」は、Model Aよりかなり軽量化されていて、本体価格も半額以下。しかも3分割できて、セダンタイプの乗用車に積み込めるというのです。電動車椅子をセダン車のトランクに入れる、というのはまず不可能なので、これはかなり画期的なことです。折り畳める車椅子の簡易型電動でも、電動ユニットを横倒しで積むのは推奨されないため、私は自家用車(セダン)移動の場合は手動車椅子を使用しています。
こちらは展示のみでした。二輪駆動とのことで、ぜひ次の機会には操作感の違いを体験してみたいなと思いました。クリア可能な段差は5cmとのこと。この高さも、スロープになっている歩道の段差ならほぼ問題なく上れると思います。
座面の下がすこんと空いていますが、ここにはなんと標準装備で20L容量のかごを設置できます。買い物した荷物も入れ放題。詳細は公式サイトにて確認できます。
ただ、少し気がかりなこともあります。
町なかには、7.5cmや5cm以上の段差が意外に散在しています。例えば路面店の入り口前に10cmほどの段差があるのはよくあることだからです。
「簡易型電動車椅子」であれば、手動車椅子と形は変わらないので、いざとなれば介助してもらうことが可能です。背もたれには介助者用のグリップがありますし、車椅子の後方下部に突き出た転倒防止バー(兼ステッピングバー)を踏んでもらえれば、前輪が上がります。手動車椅子と同様に、段差をクリアできます。
しかし、WHILLに限らず「電動車椅子」は介助されるような設計にはなっておらず、そもそも重量があるので、越えられない段差があっても押してもらうことは困難です。
とはいえ、乗ってみた感動が薄れる訳ではありません。それに、そもそもひとり行動するのであれば、手を借りないと上がれない段差は避けて、入れる店を探します。そういう意味では、馬力があって歩道の段差をクリアできるWHILLに軍配が上がります。
そして何よりもこの外見は、お出かけしたくなるような乗り物。
外出に必須な車いすが「かわいい」「かっこいい」というだけで、モチベーションが上がります。
参考:Home - WHILL パーソナルモビリティ 次世代型電動車椅子(公式サイトトップページ)
もうひとつ、「アビリティーズ・ケアネット株式会社」のブースで、未来を感じるめちゃくちゃかっこいい電動車椅子に試乗しました。
キャタピラで階段昇降ができる車椅子、「B-Freeレンジャー」です!
左手側にあるパネルには、この車椅子のいろいろな形態がアイコンで表示されています。階段を上るときはその形態のアイコンにタッチ。するとキャタピラや座面の下が変形するのです。ゆっくりと階段を後ろ向きに上っていくのはとても感動しました。
通常走行時は、写真の前輪キャタピラの前に突き出た部分が上向きになるよう90度回転し、コンパクトになります。
参考出展のこちらは、香港にある会社が製作したもの。まだ日本で認可されるにはいろいろと調整が必要とのことでした。
階段昇降するキャタピラ車椅子の存在は見聞きしていましたが、日常のシーンで使うのに問題ないサイズというのは難しいだろうと思っていました。なので、初めてこの車椅子の動画をインターネットで見たときは本当に驚きました。現実的なサイズにかなり近づいていると感じます。
この先に、車椅子での日常で階段を苦に感じない未来があると感じさせてくれる、かっこいい車椅子でした。
楽しみです。
参考:バリアフリー2017出展のお知らせ | アビリティーズ・ケアネット(株)
アビリティーズ・ケアネット株式会社(公式サイトトップページ)
Welcome to B-Free Technology Ltd(メーカー公式サイト、英語)
車椅子で、ラーメンを。
ラーメン屋さんって、細長ーい店内のカウンター席で食べるイメージがありませんか?
車椅子を使いだしてから気がついたのですが、そういうタイプのお店に車椅子で行くのはかなり難しいんですよね。
でも、中には店内が広くてテーブル席のあるお店もあります。
今回は、奈良の「車椅子で行けたラーメン屋さん」を3軒ご紹介します。
ハナヤマZ
国道など大通り沿いのラーメン屋さんなら、駐車場が広くて店舗も広めなことが多いです。今回は、田原本の24号線沿いにある「ハナヤマZ」さんへ行ってみました。
「ハナヤマZ」の「ハナヤマ塩ラーメン」
ラーメン鉢のフチに沿うほどに長いメンマ、厚みが1cm近くあろうかというチャーシュー(しかもホロホロにやわらかい!)、しゃっきしゃきのネギと小松菜!
スープは魚介の香りが濃厚ですが、するすると飲めます。麺は平打ちの細麺で、食べるのがゆっくりな私でも最後までおいしく頂けました。
食べ終わるのが惜しい、と思うほどのラーメンに出会えて幸せです。
メニューは他にも、「ウニと魚介の塩ラーメン」「ずわい蟹とスルメイカの醤油ラーメン」「鯛と飛魚(アゴ)だしの醤油ラーメン」「濃厚魚介とんこつラーメン」「濃厚エビ味噌ラーメン」などなど挙げればきりがないほど気になるラーメンが目白押し。
太麺のつけ麺もあるので、それもまた食べてみたいです。
西改札口
西改札口との間に踏切あり、要注意
駅からお店に向かう24号線沿いの歩道には、かなり狭い箇所があります。
電柱のある場所から少しの間は車椅子1台がギリギリ通れる程度の幅
ここはかなり注意して通行しました。駅から店までは徒歩約8分ほどです。
ドアが開き戸なので、お店の方に開けて頂きました。入ってすぐに少しスロープ状になっています。
店内の通路はゆったりしています。テーブル席は通路に対して直角に配置してあるので、隣の席にお客さんがいなければテーブルを動かしてもらって入ることができます。90度方向転換するときに車椅子の肘置きがテーブルに当たってしまいましたが、私の車椅子は肘置きを跳ね上げられるので、いったん跳ね上げて向きを変えました。
車椅子のまま席に着くなら、カウンター席の方がスムーズかも知れません。
テーブルと同じ高さのカウンター席
お店の方がとても親切に対応してくださいました。またぜひ行きたいお店です。
参考:ハナヤマZ(食べログ)
むつみ屋げんき軒
ショッピングモールに入っているラーメン屋さんなら、床もフラットですし多目的トイレが完備されていることが多いので安心です。
イオンモール奈良登美ヶ丘の2階にある「むつみ屋げんき軒」さんへ行ってきました。
「むつみ屋げんき軒」の「芳醇みそらーめん」+味玉トッピング
味噌に酒粕を練りこんだ濃厚なスープ。ラードが多めでかなりこってりしていますが、高菜の酸味とネギのしゃきしゃき感がいいアクセントになっていました。チャーシューはラーメン鉢の半分を覆うほどにジャンボ! 味玉をトッピングしたのも大正解でした。がっつり食べた感があります。
メニューは他に、「北海道みそらーめん」「辛みそらーめん」「とんこつらーめん」「醤油らーめん」「塩らーめん」「香味つけ麺」も。中でも北海道発の「とんこつらーめん」は魚介系を多用したやわらかい口当たりとのこと。近いうちに食べに行きたいです。
イオンモール奈良登美ヶ丘は、近鉄学研奈良登美ヶ丘駅からすぐ。
モール内の店舗のいいところは、店の入口にドアがないので入りやすいということですね。
店内もゆったりしています。
お店の方に椅子をよけて頂きました。写真を撮るときも親切に対応していただきありがとうございました。
どうとんぼり神座
イオンモール大和郡山のフードコートには、「どうとんぼり神座」さんが入っています。
「どうとんぼり神座」の「おいしいラーメン」+半熟煮玉子+小チャーシュー
家族と一緒だったので、カウンターで注文してもらって席まで運んでもらいました。神座と言えば豚バラ肉と白菜。ときどき無性に食べたくなるのです。フードコートにあるお陰でまた食べることができて、とても嬉しいです。
(写真がうまく撮れていなくてすみません。玉子は割ってから撮るべきでした)
私はこのとき家族と車で行きましたが、イオンモール大和郡山へはJR郡山駅や近鉄郡山駅からバスも出ています。
スーパーでの、お買い物。
簡易型電動車椅子で買い物に出かけると、「歩いていたときとは勝手が違うなあ」と思うことがいろいろあります。
その多くが、歩いていたときには気がつかなかったこと。
車椅子に座っていると高い棚に手が届かない、というのは何となく想像がつきますよね。
だけど、実は、それだけではないんです。
例えば、スーパーマーケットで買い物をする場合。
車椅子で陳列棚に近づくとき、正面から向かうとフットレストが棚に当たってしまって、手が届きません。車椅子の足の位置って、意外と前に突き出しているんですよね。
なので、棚に車椅子を横付けにします。
そうすると、生鮮食品など「下段に商品を平置きにしている陳列棚」の2段目以上には、手が届きにくいんですね。棚が奥まっているから。
歩いていたときはどうしてたかな、と思い返してみると、棚の前ぎりぎりに立って、前のめりになって、手を伸ばしていました。
こうして車椅子を棚に横付けにすると、商品を見るためにまず上半身をひねってから手を伸ばすので、「前のめり」の姿勢が取れないのです。
また、棚の足元が空いていて、車椅子を陳列台の正面からつけた場合も、立っていたときほど「前のめり」にはなれません。
なぜなら、手前の商品に身体が当たってしまうからです。そして、立っているときほどは遠くまで手が届きません。
意外に商品を取りにくいのが、通路にある冷蔵ケース。
完全に横付けにすると商品が見にくいので、少し斜めにつけるのですが、車椅子からだとケースの縁がそこそこ高い位置にあるので、深くまで手を差し入れるのはかなり難しいです。
肘と手首の間にもうひとつ関節が欲しくなります(笑)
こんな風に、手が届きにくい場所はいろいろとありますが、棚の前などで私が止まっていると、近くにいた店員さんや他のお客さんが「取りましょうか?」と声をかけてくださることが本当に多いです。
声をかけていただいたときは、お言葉に甘えて取っていただくようにしています。ありがたいことです。
どうしても取れないときは、私から近くにいる人にお願いすることもあります。
また、大型スーパーでは、通路の幅がかなりゆったりと取ってあるので、車椅子でも気兼ねなく通行できるのが嬉しいです。
レジの通路も広めなことが多いです。大きなカートも通れるようになっているからでしょうね。
レジでは、商品の数が少なければ、精算時に店員さんが袋に入れてくださることもあります。自分で詰める時は、カゴをサッカー台に置くとカゴの縁が高い位置に来て中に手を差し入れにくいので、膝に乗せたカゴから商品を台の上に置いてから袋に入れたりもします。
カゴを横倒しにしても大丈夫な商品が多ければ、台に乗せたカゴを手前に倒すと取り出しやすいです。
※今回の写真は「イオン高の原店」で撮影しました。産経新聞奈良版と産経WESTで連載中のコラム『車いすでみるなら』および補足のためのブログ(この記事です)用に、許可をいただいています。
ホテルのバーは、バリアフリー。
少し前に友人と、バーの雰囲気に憧れるという話をしていて。
「バーって階段の先にあるものだよね」
という話になりました。
…確かに。
小さなビルの細い階段の先に、ひっそりと客を迎える渋いドアとか。
1階にあっても、店先に数段の階段があったりとか。
その階段が、日常との境目みたいなものだったりするのかも知れませんね。
車椅子で階段の先へ進むのは難しいので、バーに行くのは少々厳しいかなと思っていたのですが。
その友人が、「奈良ホテルとホテルフジタにバーがあるよ」と教えてくれたのでした。ホテルなら車椅子で入れる可能性が高い! と思って、さっそく電話しました。
バリアフリー問題もそうですが、私は簡易型電動車椅子を使っているため外出時の飲酒を控えています。電動車椅子は道路交通法上「歩行者」なので、お酒を飲んだとしても「飲酒運転」にはならないのですが、レバーを操作するうえで飲酒による判断能力の低下は命取りです。現に、電動車椅子の取扱説明書などにも「お酒を飲んだら乗らないこと」と明記されています。
つまり、バーには行きたいけどもお酒は飲めない訳です。
ということで、ホテルに電話した際には、車椅子で入店できるかどうかに加えて「ノンアルコールカクテルは提供されていますか」と聞いてみました。
いずれのホテルも、車椅子で問題なく入店できて、ノンアルコールカクテルもお作りしますよ、とのご返答でした。すばらしい。
お酒の飲めるその友人と一緒に、行ってきました。
奈良ホテル「ザ・バー」
奈良ホテルの本館1階にあるラウンジは、日中はティーラウンジとして営業し、18時からはバー「ザ・バー」に変わります。
バーカウンターのある部屋は明るく、カウンター席の椅子は座面が高いですが肘掛けがあります。テーブル席はテーブルが低めなので、車椅子から移って座るのもいいですね。
私たちは夕方からティーラウンジを利用(リンク先は当ブログ)して、そのままバータイムを楽しむことにしました。
窓際の席が空いたので移動させてもらって、せっかくなので車椅子からふかふかの椅子へ移ってみたくなりました。お店の方に聞いてみると、車椅子を置けるスペースがあるとのことだったので、お願いしました。
店の椅子に腰かけるのは久しぶりでしたけれども、いいですね。
低めのテーブルにちょうどいい感じで肘を置くことができて、身体を支えて座れました。いつもの車椅子の座面を感じず、さらに車椅子が視界に入らないことで、非日常感がぐんと増します。
窓は広く、ライトアップされた庭の木が幻想的に見えます。
私が頼んだのは、いちごのノンアルコールカクテル。
これがあなた、ノンアルコールなのにカクテル感にあふれているのです。
いちごの酸味をしっかりと感じるし、ふわりとした口当たりの奥から時間差で炭酸の刺激がやってくるのです。ジュースのようにごくごく飲むのではなく、少しずつ含んで楽しむ味でした。
いやはや、大満足でございました。
窓際の席からバーカウンターのある内部屋を見遣ると、こんな感じです。
とてもすてきな空間でした。
帰りは来る時にも乗ったタクシーを呼びました。奈良ホテル敷地内の坂道や周辺の歩道は、車椅子で通行するのには少し危険です。特に夜は、車で通行するのが安心だと思います。
参考:バー「ザ・バー」| 奈良ホテル | 公式サイト Nara Hotel Official Site
奈良ホテル | 公式サイト Nara Hotel Official Site
ホテルフジタ「オールドタイム」
三条通りにあるホテルフジタは、近鉄奈良駅やJR奈良駅から車椅子でも行きやすいですよ。
ホテル1階を進んで左手に、バー「オールドタイム」があります。19時オープン。
店内はゆったりしているので、車椅子でも移動しやすいと感じました。
こちらのバーはカウンターがテーブルと同じくらいの高さなので、椅子をどけて頂いて、車椅子のままでカウンター席につかせてもらいました。
いやはや、カウンター席ってバーの醍醐味じゃないですかね?
興奮しながらメニューのノンアルコールカクテルのページを見ていると、なかなか決めることができません。女性バーテンダーさんがどんな味が好みか尋ねてくださったので、「甘めのを」とお願いしてみました。
シャカシャカとシェイカーを振って、グラスに注がれた少しとろりとしたカクテルは、オレンジとピーチのノンアルコールカクテル。口に含むと、ピーチの甘さにオレンジのつぶつぶ果肉がほのかな酸味を加えます。うん、おいしい。
他のお客さんもいらしたのですが、バーテンダーさんと少しおしゃべりできました。奈良のホテルでバーがあるのは、ここと奈良ホテルだけとのことでした。
参考:バー オールドタイム | ホテルフジタ奈良【公式サイト】-ビジネスや観光の拠点に便利な奈良のホテル-
ホテルフジタ奈良【公式サイト】-ビジネスや観光の拠点に便利な奈良のホテル-
ホテルのバーは、友人曰く「一般的なバーよりも少しお高め」とのことでしたが、この雰囲気を味わえるならたまには贅沢してみてもいいかな、と思いました。